和視協16年度社会見学


和視協社会見学と文芸研修
  〜手打ちソバ作りなどの貴重な体験!!
          企画担当 北口


 10月31日の日曜日、平成16年度の社会見学の行事で、有田郡広川町にある滝原温泉「ほたるの湯」へ出かける。
 この行事は、文芸研修の企画も兼ねていて、現地での体験を踏まえての俳句を作句することにもなっていた。
 毎年この企画は、けっこうやっかいなもので、まず、行き先を選ぶのに一苦労する。
というのも、どうしてもいろんな条件をクリアしなくてはならないことです。その条件とは、
  1.日帰りできるところ。
  2.手垢の付いた何度も誰もが行ったことのある場所では参加者が少ない。
  3.我々視覚障害者の行安い所で、危険が少なく、かつ興味深い所。
  4.比較的出費が少なくて済むような所。
等々の条件を満たせる場所を探すのは大変です。

過去には、観光バス1台をチャーターして、大阪のハーベストの丘やJRの和歌山線を利用して、花岡青洲の生誕地に作られた青洲の里や、加太の淡島神社、海南の温山荘、四季の里公園など、昨年は、南国紀州では珍しいリンゴ狩りを体験できるかつらぎ町の農園に行きました。

 そこで、今年も体験型研修にこだわり、我々にでもできる体験をということで、ほたるの湯で温泉に浸かり、蕎打ち体験をし、近くの畑で芋掘り体験もできるという当地に事前の執行部会で落ちつき、理事会に諮って行き先が決定されました。
 道中は、県の福祉バスを利用するということで、定員が32名までということから、9月25日を申込期限とし、全会員に伝達したところ、発表後1週間も経たない内に、定員に達してしまった。これでは、希望者全員に参加してもらえないかも知れないなあと心配するが、その後は、ほとんど申込者がなく、こちらの予想を裏切るような結果となり、嬉しいやらがっかりやらだった。
 担当者として、締めきり後、一月以上もブランクがあり、参加者の気分もポシャリかけているのではと少し気になる。

 当日は、前日の雨降りの影響で、スッキリしない天気ながら、なんとか雨に合うこともなく、予定していたすべての企画を消化することができた。
 午前中に体験した蕎打ちでは、日頃は台所に立つこともないだろうと想像される無骨な輩も、ビニール製のかわいいエプロンを付け、事前の手洗いも入念に、取りかかったのは、ずっしりとした木製の引き臼のような形をしたハンギリ。
その中にそば粉8タイに小麦粉2の割で調合された粉を入れ、係りのおじさんの指導の元、水を加減しながら投入し、キジをこねて行く。
その間隔は、子供の頃に学校でやったことのあるまさに粘土細工だ。
  しばらくその固まりを平たくしたり丸くしたりしながらいわゆる耳たぶの堅さになるまでこね、良い具合に粘りけも出てくると、次の行程の打ち粉という粉をまぶしながら麺棒というちょうど、そう掛け軸の芯のような長い棒を使ってソバを平たくする。
これは、均等に同じ厚さにするのがポイント。ここで、まずできの善し悪しの差が出る。
次は、平たく伸されたそばの板を三つ折りにして、木製の小手のようなものを当てながら、大きな長さ60センチほどもあるような菜切り包丁を使って、ソバを適当な細さに切り分けていくのである。
 これがまた、大変。ちょっとこつがわかれば、おもしろいのだけれど、それを会得するまでが難しい。
あてがった小手板を左手に持ち、右手には庖丁を持って、小手を左へ左へと2から3ミリほどずつ平行移動させながら、ソバの右端を切りながら進めていくのである。
ここで、目が見えないと平行移動をするのが難しい。だから、太いのや細いのができてしまうのである。
ワアワア言いながら切り終え、係りの人にゆであげて貰ったものにだし汁をかけていただいたのであるが、テーブルのあちこちから、完成やらため息やらが聞こえ、昼食が和やかでとても楽しいものになった。

 昼食後、若干の休憩をしてから、いよいよ芋掘りである。
雨の影響で、田植えかとも思えるほどのぬかるみもあり、参加者は泥にまみれながら、一心に芋を掘る。
しかし、状況が状況だけに早々と控え室に引き上げる人が多く、その場で掘り出した芋の品評会をする予定にしていたのだが、その後風呂に入る人などもいて、結局メインイベントにしようと思っていた大芋コンテストは、帰りのバスに乗る直前に準備した家庭用の2キロの計量機で主なものだけをそそくさと測定して、賞を決める事に…。
担当者としては、秋晴れの元、出席者全員の前で、自分が掘った一番大きな芋を測定して、みんなの歓声や落胆のため息などを楽しみたかったのですが、それも適わず、消化不良に終わったものの、優勝者の芋は、690グラムという大芋でした。
 行きのバスの中では、現地到着時刻当てクイズなども行い、いまいち天気には恵まれなかったものの、けが人もなく無事帰宅でき、それなりに有意義ではなかったかと思っています。

 また、この行事に参加しての俳句の投稿は以下の通りです。
  1.  ふといそば ほそいそばあり なごむぜん
  2.  ゆくあきを てうちのそばに したつづみ
  3.  そばきりの たれがきるのか リズムよく
  4.  あきざくら むれさきそよぎ あゆみとめ
  5.  ほるひとに にて とくだいさつま ほりあてる
  6.  ふかしいも ふうふうしてやる まごのてに 
  7.  まなうらに ははのえがおと ふかしいも
  8.  いしやきの ふえ とおりきて こめあらう
  9.  ふところに くれし いもまだ ほのぬくし
  10. すぎしひの おいもだんぎに とき わすれ
  11. やきいもや こごえしわれの てに うれし
  12. ごまかされ げんちへでむきいもほりを
  13. じゃんぼいも たいじゅうけいに そっとのり
  14.  すこっぷで いもづるしきに たいほした。













写真1 そばを作っている様子
写真2 そばを作っている様子
写真3 そばを作っている様子
写真4 そばを作っている様子
写真5 出来上がったそば
写真6 「ほたるの湯」の看板の前にバス





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