白い杖 第30号


和歌山市視覚障害者福祉協会機関誌「白い杖」

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巻頭言
   会長 山嵜景生
 桜のつぼみもほころび、吹く風も快く感じる季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 平素は本会発展のため、ご協力いただき誠に有り難うございます。
 さて、昨年を振り返ってみて、嫌な事にはふれず良かっただけふれる事にします。
 1点目は、本件におきましても、歩行訓練事業がスタートしました。
 2点目は、IT講習会が開かれました。
 3点目は、JR和歌山駅に4機のエレベーターと2機のエスカレーターが設置されました。この3つの収穫は、私達の運動
の励みになると考えます。今年はどうでしょう。和歌山市においては、新規事業は認めない、交付金は1割カットという厳し
い現実を踏まえ、運動を展開しなければなりませせん。そんな中、和歌山市身体障害者連盟創立50周年という節目の年を迎
えました。秋には記念式典を計画しています。1人でも多くの参加を期待しております。数こそ力、これを契機に組織力を高
め、要望の実現に向けて取り組みたいものです。
 終わりに、この2年間微力な私を支え、もり立ててくださった皆様に感謝申し上げます。
 最後になりましたが、皆様方のご健康とご多幸を祈念申し上げ、巻頭言といたします。

和視協平成12年度事業実施報告
   書記 滝本金作
会議
執行部会 4回。理事会 3回。
市連盟理事会 4回。同代議員会 1回。
連絡 文書 数回。電話 数回。その他 若干。
4月8日 定期総会、市ふれあいセンター。出席44名、委任30名。平成12年度事業及び決算の報告と承認、13年度の事業計画と予算案の承認。その他案件及び雑件の承認
15日 午後理事会、市ふれあいセンター。出席者15名。事業役割の分担と担当者の報告、前理事会における、要望事項に対する現状報告、上半期の事業計画について、及び雑件、以上の事柄について審議されました。
22日 市身連代議員会、市ふれあいセンターにおいて開催されました。
5月 13日 市福祉大会、須磨水族園と六甲オルゴール館の見学、30名参加。
20日 第1回和歌山県障害者スポーツ大会、紀三井寺陸上競技場において開催。山嵜会長と河西分会の幸前勇さん、付添い1名が参加しました。
6月10日 点字教室、市ふれあいセンター。1行記憶書き、3文字しりとり、こたこた書きの3種目で、それぞれの技能を競いました。
24日 県視協主催、歩行訓練事業 県総合福祉会館にて開催され、11名が参加しました。県身連の谷垣先生の指導により和歌山城公園を歩行訓練しました。
7月1日 福祉学習会、市ふれあいセンター。城東分会の佐野磯雄さんを講師に迎え、介護保健についての学習をしました。
15日 市身連主催将棋大会、市ふれあいセンター、和視協より5名が参加。団体戦は優勝、個人戦でも弘親分会の大取秀男さんが優勝されました。
8月26日 午前執行部会、午後理事会、市ふれあいセンター。15名出席し、下半期の事業計画について審議しました。
9月2日 県身連福祉大会、岩出町体育館、21名参加しました。
 9日 市身連福祉対策協議会、市ふれあいセンター、各部会から要望事項を持ち寄り、市側と交渉を持つ。本会からは次の3点の検討を市側に要望した。6名出席。
1 ガイドヘルパー及びホームヘルパー制度の拡大叉は拡充について
2 ワープロ教室におけるインターネット講習の実施について
3 病院に障害者又は家族が入院した際の付き添いに対する制度の検討について
 21日日身連主催近畿ブロック福祉大会、県民文化会館にて開催され、11名が参加しました。
10月21日 市身連主催教育講座、市ふれあいセンター、講師にせいゆう病院リハビリテーション科主任理学療法士北出憲弘氏による「障害者の健康管理について」という講演があり、和視協からは10名出席。
21日 県視協主催俳句大会、田辺市民総合センターで開催され、和視協から8名が参加し、団体の部で準優勝に輝きました。
28日 社会見学及び文芸大会。観光バスを利用して大阪府堺市のハーベストの丘に行きました。
11月11日 県視協主催点字競技会、県身体障害者総合福祉会館にて開催され、11名が参加し、河北分会の山崎芳子さんが総合優勝に輝きました。
12月 9日 市身連主催幹部研修会、和歌浦の太公望において開催され、7名が参加しました。
12月16日 文化研修会、市ふれあいセンター。川原義夫さんによるギター弾語り、文芸大会における俳句の講評と受賞発表、カラオケ大会の3部構成で行なわれました。
1月21日 更生相談員会及び幹部研修会、市ふれあいセンター。WBSラジオの放送副部長池田かやさんをお招きして、チャリティ・ミュージックソンに関する講話を聞きました。参加者は12名でした。
2月3日 市身連主催教育講座「結婚相談の集い」、市ふれあいセンター。山嵜会長他1名が出席しました。
17日18日 県視協主催 幹部研修会 紀州路南部において開催され和視協から7名が参加しました。
24日 執行部会 ふれあいセンター。平成13年度事業報告及び収支決算報告、平成14年度事業計画及び予算案について、それぞれ理事会案について審議しました。
3月10日 和視協最終理事会 ふれあいセンター。

消息
 次の方々が各方面より表彰を受けられました。おめでとうございます。
 5月13日、市身連福祉大会において、自立更生を新光分会の畠中常男さんが、内助功労を西和分会の三原愛子さんが受賞されました。
 9月2日、県身連福祉大会では、内助功労を紀伊分会の宮本員代さんが受賞されました。
 10月23日、和歌山市社会福祉協議会主催の社会福祉大会において、河西分会の国友典雄さんが、社会福祉功労者賞市長表彰を、城東分界の小池清志さんが社会福祉協議会会長表彰を、それぞれ受賞されました。

婦人部だより
   婦人部長 北山和代
 本年度より婦人部も改名し、女性部というよう上部団体より変わってまいりました。前通り皆さんよろしくお願いしておきます。
 さて、13年度は和視協婦人部では次のような行事を行い、交流を図りました。これからも楽しく、そして地位向上をめざし、社会参加をしていこうではありませんか。まだ、未加入の女性の方、そして、特にお若い方々を歓迎いたします。
 女性に欠くことのできない料理講習、家庭を楽しくするための生け花講習、また、忘れてはいけない美容講習など、また、身につけておくべき作法、そして、親睦を図るために野外研修会(今年はいちご一語狩、ぶどう狩)、ホテルでのお食事のマナー、ボランティアのお手伝いを受けながら、皆さん楽しく婦人部を盛り上げています。一度お気軽にのぞいてみませんか。
心よりお待ちしております。

会員コーナー
森さんの置きみやげ
   新光分会 畠中常男
 少し人気が落ちたとは言え、小泉現総理の支持率は50%ほどですね。そこへ行くと、森前総理はなぜか本当にお気の毒ではありました。やることなすこと全部マスコミにたたかれて、巷のうわさ話もさんざんでした。私は特に森シンパと言う訳ではないんですが、森さんだっていいことやってたんですよ。
 と言うのはあれ!、そのIT推進事業です。
 でも、IT関連に目先を変えただけの相も変わらぬ公共事業だとか、ハード優先だとか、発表当時はあまりいい評価がなかったようですし、また、一般のIT講習会の方も、思ったほど好評ではないようです。ただ、障害者情報バリアフリー事業は大変すばらしい施策であったと思います。
 ご存じの方も多いでしょうが、この事業は、2級以上の視覚や上肢の障害者が対象で、それぞれの障害を補う特殊なソフトや周辺機器を買った場合、その代金の3分の2以内、または10万円までを助成してくれる制度です。
 当地和歌山では、視覚障害者協会の幹部の皆さんのお力もあり、他府県に比べても、その対応がずいぶん良いようです。
私の知る範囲でも、その制度を活用して、ワープロやインターネット、また、EメールなどITを身につけた方が沢山おられます。是非、貴方もこの制度を活用して、ITに親しんでみてはいかがでしょう。
 尚、この事業は、5年間の限定事業として、厚生労働省の所管で行われているようです。まずは、お住まいの地域の市町村役場までお問い合わせを。

一人歩き
   河西分会 幸前 勇
 私はもともと先天性の弱視でしたが、視力が無くなってもうすぐ8年になります。
 白杖を使い始めたのは、視力が無くなる少し前からでした。
 一般的には視力が乏しくなってきても白杖を使う事を嫌う人が多いようですが、その頃はまだ病院勤めで電車を3本乗り継がないといけなかったので、必要に駆られたせいでもあります。
 私自身がホームに落ちたりするのは仕方ないにしても、誤って見ず知らずの人にケガをさせては大変だし、白杖を使って歩いていれば自分の安全確保と共に周囲の人にも意識してもらえるかなと思ったからです。
 その後、自宅で開業するようになっても月に何度かの外出はほとんどが一人です。
 ただ、盲学校に通っていた3年間に見た記憶と、知り合いからのアドバイスだけで、歩行訓練は受けていませんので、杖の扱い方は決して上手とは言えないかも知れません。
 まあ、幸か不幸か、ずっと一緒に歩いてくれる人もいないので、それなりには上達してはいるでしょう。
 それでも横断歩道を真っ直ぐに渡れなかったり、目標物が分からなくなってウロウロした事も何度かありますが、いろんな人に助けてもらいながら歩き回ってます。
 会議で青森や徳島へ行ったり、パソコンで知り合った人たちと会うために箱根や名古屋へ行く時も一人です。
 と言っても、電車の乗り継ぎは駅職員さんに介助を依頼しますし、市内ですら行ける場所は限られていますし、まだまだ先輩方には及びませんが。
 精神的に疲れるし多少の危険も伴いますが、やっぱり一人歩きは気楽で楽しいので、出来る限り続けていきたいです。

文芸クラブへどうぞ
   河西分会 寺下一夫
 視覚障害者にとって文芸は最適の趣味だと思います。金もかからず句帳と点字器を持っていれば、いつでもどこでも楽しむことができます。とかくストレスのたまりやすい現代、年寄りはもとより若い人々も白い杖と一緒に「趣味」という名の心の杖を手放さず、心身の健康に努めましょう。興味を持っていられる方は、勿論そうでない方も早速始めましょう。
 文芸クラブでは今10余人の仲間達が俳句と川柳で日々の暮らしを明るく豊かに過ごしていられます。
 はじめての方は難しいとお思でしょうが、今は昔と違って、難しい俳句や川柳は敬遠され、誰にでも作れて分かりやすいものが歓迎されています。やってみようと思われる方は、クラブへ入る前に私にお電話ください。詳しいことをお話申し上げます(電話455−1828)。それでは、以下最近のクラブの皆さんの句の中から特に分かりやすい作品を紹介しましょう。
作者名省略。
 (若竹俳句会)
つゆざむや ねこ ひざふかく まるくねる
てびかれて まなうらに みる きっかてん
2わ 3ば なにやら はなす かんすずめ
くいぞめの ぜんに しゅんぎく かおりけり
みちずれの ろうばに ゆずる ふきのとう
おりたてば はる まだあさき むじんえき
おるごーる ふたを あければ はるの こえ
ねっくれす はずしてからの はなづかれ
まご ひとり ふえて うれしき はるの よい
あじさいの いろ かわりゆく けさの あめ
おとうとより ことしも しんちゃ とどきけり
みずかえて すずしき こいと なりにけり
さみざれに あっけらかんと うきみどう
たいりんに そだてる なすの まつりかな
げきろんを のがれ いずれば せみしぐれ
ちちの せを かざよけにして しゃぼんだま
こら かえり こすもす かたを くみ ゆれる
よこあなの こだい じゅうきょに のこる むし
 (どんぐり川柳会)
あすの ゆめなどは もたない こっぷざけ
うちあける ひとなく ゆうべ ただ あるく
ゆうすずみ うちわの かぜが しゃべりだす
ふるにょうぼう うちわの かぜを ひとりじめ
さんぽみち ぽいすての ひと ひろう ひと
かくしてた きねんしゃしんが もめた わけ
かせぐより でていく かねが いそがしい
いそがしいと いう つまには さからわず
おおそうじ うんどうぶそく かいしょうし
とこのまで はるを まってる らんどせる
はいせんで しった へいわの ありがたさ
えきべんは いく さきざきの たびの あじ
ひとりたび こころの おにを けしに いく
めいあんを わけた さよなら ほーむらん
はんせいの いろなし がむを かみながら
はれぎの こ くわえたばこで まち かっぽ
ばけすぎて 3めんきょうが あざわらい
きんめだる はれぎは あせの ゆにほーむ
あるときは おにに なります ふるにょうぼう

クイズコーナー
 「問題」 次のア〜オに関係する数字の合計をお答え下さい。
 ア、ソルトレイクにおける日本の獲得メダル数。
 イ、マリナーズのイチローの背番号。
 ウ、ワールドカップサッカーの出場チーム数。
 エ、高校野球春選抜の出場チーム数。
 オ、機関誌「白い杖」の発刊回数。
申し込み先 宮本克二
閉め切り 平成14年5月20日
発表 景品の発送をもってお知らせいたします。




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