白い杖 第33号


和歌山市視覚障害者福祉協会機関誌「白い杖」第33号

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平成17年3月発行
和歌山市視覚障害者福祉協会
〒640-8319 和歌山市手平3丁目10番8号




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目 次

    巻 頭 言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  1

    和視協この1年 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  2

    ホームページを覗いてみませんか ・・・・・・・・・・・・・  4

    フェスタ・レポート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  5

    文芸部へのいざない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  8

    メンバーズ・ボイス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  9

    ご存じですか?こんなサービス ・・・・・・・・・・・・・・ 13

    クイズ・クイズ・クイズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

    編 集 後 記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15


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巻 頭 言

会長  山嵜 景生

 桜のつぼみもほころび始め、頬に当たる風も暖かく、希望を持たせるような季節に成りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 平素は本会発展のため、ご尽力賜り、誠にありがとうございます。
 また、昨年は台風による災害や、中越地震の発生等天災の多い年でもあり、被災された皆様に義援金を差し上げたいのでと皆様にお願いしたところ、多くの浄財をお寄せいただきました。 ここに紙面をお借りして、重ねて御礼申し上げます。
 さて今日、障害者に関する施策は大きい変革期に入っておりまして、国は介護保険との統合への方向性を示しております。 しかしながら、一昨年4月にスタートした支援費制度は一年も経たない内に財源不足の問題が表面化しております。 そのような情勢をふまえ、私達和視協は、上部団体である、県身連・日盲連・日身連と共に、国に対し、支援費の充実を訴えてまいりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 次に、当会と皆様との情報や意見の交換が、より円滑に行えますよう、昨年ホームページを開設いたしました。 また、会から皆様への連絡が、より的確に行き渡りますように、理事様宛の文書を発信いたしておりますので、どうぞご活用下さいますようお願いいたします。
 おわりに皆様方の御健勝・御多幸を祈念申し上げ、巻頭言といたします。

和視協この1年

書記  沢田 留司

 以下に、平成16年度中に行われた事業をご報告いたします。
平成16年
 4月 4日: ふれ愛センターにて、定期総会開く。 出席者39名、委任状36通。 提出された議案が審議・承認されたのち、役員の改選を行う。 その結果は次のとおり。 会長:山嵜景生氏 副会長:北口豊氏・畠中常男氏 幹事:松下淳二氏・山崎昇平氏
 4月18日: ふれ愛センターにて、10時より執行部会。 終了後、第1回の理事会。 冒頭に、会長より会計に幸前勇氏、書記に沢田留司氏が指名され承認を得る
。 その後、上半期の事業について討論を行う。 14時より、市身連の代議員総会に出席をする。 ここでも、役員の改選が行われ、和視協関係では副会長に山嵜景生氏、新しく畠中常男氏が理事に、幹事に宮本克二氏が選任された。
 5月 9日: 市身連の福祉大会に参加する。 場所は、京都の嵐山と太秦の映画村。
 5月26日: 神戸のワールド記念会館で行われた、日身連の福祉大会に会長が出席する。
 6月13日: ふれ愛センターにて 点字教室を実施。参加者は19名。 松下美和子先生による点字に関する講演と、競技会を行う。
 7月 7日: 県視協の 部会委員会に、会長が出席。
 7月11日: ふれ愛センターにて福祉学習会を実施。 参加者は22名。副会長の畠中常男さんによる補装具と生活用具、そして視覚障害者とインターネットについての講演をきく。
 7月14日: ふれ愛センターにて行われた、市身連の理事会に出席する。
 7月18日: 県身連の囲碁・将棋大会に参加する。 場所は総福。
 8月 1日: 市身連主催の市長杯争奪将棋大会に参加する。 視覚は優勝。
 8月29日: ふれ愛センターにて、午前中は執行部会、午後には理事会。 主に下半期の事業について討議する。 同日、田辺にて行われた、県視協主催の文芸大会にも参加する。
 8月31日: ふれ愛センターにて行われた、市身連主催の福祉対策協議会に出席する。 和視協からは、次の3点を要望した。
 (1)各企業に対し、障害者の法定雇用率の厳守を徹底してほしい
 (2)支援費制度の継続と拡充、ならびに整備を希望する
 (3)和歌山市からの補助金を下げる事のないように、少なくとも現    状維持。
 9月 5日: かつらぎ町で行われた、県身連主催の福祉大会に参加する。
 9月 9日: 京都府宇治市で行われた、日身連近畿ブロックの福祉大会に会長が参加する。
 9月16日: ふれ愛センターにて行われた、市身連の理事会に出席。
10月24日: ふれ愛センターにて行われた、市身連主催の教育講座に出席する。
 薬の正しい飲み方についての講演を聞く。 同日、県視協の部会委員会に会長が出席する。
10月29日: 市民会館小ホールで行われた、市社協の福祉大会に出席。
10月31日: 社会見学を実施する。 場所は広川町の蛍の湯。
 参加者は29名。 そばうち体験とさつま芋掘り。
11月21日: 県視協主催の視覚障害者社会適応訓練事業に参加する。
11月23日: ビッグ愛で行われた、盲ろう者友の会設立記念式典に出席する。
12月12日: 文化研修会を実施する。 参加者は21名。 カラオケスタジオ1番で、歌をうたってみんなで楽しんだ。 冒頭に、募集した俳句の成績発表を行った

12月19日: アバローム紀の国にで、市身連主催の理事会、ならびに幹部研修会に出席する。
平成17年
 1月 6日: 会長が市長への年頭の訪問・挨拶を連盟のみなさんとする。
 1月16日: ふれ愛センターにて、幹部研修会を実施する。 県身連・荒木事務局長を迎え、点字図書館の事業内容と実情につき聞く。
 1月30日: 県身連の幹部研修会に会長が出席。
 2月 6日: 執行部会。
 2月20日: 県視協の幹部研修会に参加する。
場所は白浜のホテル武蔵。 21日は会長が部会委員会に出席。
 2月27日: 市身連主催の教育講座に参加する。 我が家の耐震診断を受講。
 3月20日: ふれ愛センターにて、最終理事会。
 3月31日: 市身連の理事会。
    部会活動
 柏原さんを中心にした文芸クラブ、そして河野さんを部長とする女性部も、和やかなうちに活動を続けています。
    会員の消息
 まず、今年度表彰を受けられた方々は、幸前勇さんが市長より自立厚生賞、宮本克二さんが連盟会長より感謝状、北口豊さんが社協より表彰、和歌山県よりチャレンジド賞に谷口ヒサ子さん、サポート賞に丸山孝雄さんの奥様朱実さん、援護功労賞に北山和代さんがそれぞれ受賞されました。 どうもおめでとうございます。
 最後に訃報をお伝えせねばなりません。 松島千代隆さん(河北分会)、福浦純子さん(弘親分会)、高橋光子さん(城東分会)、多治見博さん(新光分会)がお亡くなりになりました。 謹んでご冥福をお祈りいたします。

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ホームページを覗いてみませんか

会計  幸前 勇

 会員の皆さんとより多く情報の共有が出来ればとの思いと、一般の方への啓発の意味もこめて、昨年の9月から和視協のホームページを設置しています。 これからの行事予定や今までの行事の様子、また会則や会歌、視覚障害に関するQ&Aなども掲載していますので、お時間のある時にでもご覧下さい。 パソコンを持っていないと見られないとお思いの方もおられるでしょうが、「らくらくホン3」や「FOMAらくらくホン」でもメールの契約をしていればiモードでご覧に(お聞きに)なる事も出来ます。 また、メールアドレスをお持ちの方はご連絡いただければ理事各位宛に発送している文書を直接メールで送らせていただきます。
 ホームページやメールに関するお問い合わせは幸前(こうぜん)まで
  電話 459−2862
和視協ホームページ http://washikyo.org/
携帯電話用 和視協ホームページ http://washikyo.org/i/

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フェスタ・レポート

 ここでは、今年度行った当会の行事の中から一つを選び、詳しくご報告いたします
。 今回参加できなかった方も、次回には是非ご参加下さい。

和視協社会見学と文芸研修
ーー手打ちソバ作りなどの貴重な体験!!ーー

副会長  北口 豊

 10月31日の日曜日、平成16年度の社会見学の行事で、有田郡広川町にある滝原温泉「ほたるの湯」へ県の福祉バスを利用して出かけた。 この行事は、文芸研修の企画も兼ねていて、現地での体験を踏まえての俳句を作句することにもなっていた
。 今年は体験型研修にこだわり、我々にでもできる体験をということで、ほたるの湯で温泉に浸かり、蕎打ち体験をし、近くの畑で芋掘り体験もできるという企画だ。
 当日は、前日の雨降りの影響で、スッキリしない天気ながら、なんとか雨に遭うこともなく、予定していたすべての企画を消化することができた。
 午前中に体験した蕎打ちでは、日頃は台所に立つこともないだろうと想像される無骨な輩も、ビニール製のかわいいエプロンを付け、事前の手洗いも入念に、取りかかったのは、ずっしりとした木製の挽き臼のような形をしたハンギリ。 その中にそば粉8に小麦粉2の割で調合された粉を入れ、係りのおじさんの指導の元、水を加減しながら投入し、生地をこねて行く。 その感覚は、子供の頃に学校でやったことのあるまさに粘土細工だ。
 しばらくその固まりを平たくしたり丸くしたりしながらいわゆる耳たぶの硬さになるまでこね、良い具合に粘りけも出てくると、次の行程の打ち粉という粉をまぶしながら麺棒というちょうど、そう掛け軸の芯のような長い棒を使ってソバを平たくする。 これは、均等に同じ厚さにするのがポイント。 ここで、まずできの善し悪しの差が出る。 次は、平たく伸されたそばの板を三つ折りにして、木製の鏝のようなものを当てながら、大きな長さ60センチほどもあるような菜切り包丁を使って、ソバを適当な細さに切り分けていくのである。 これがまた、大変。 ちょっとこつがわかれば、おもしろいのだけれど、それを会得するまでが難しい。 あてがった鏝板を左手に持ち、右手には庖丁を持って、鏝を左へ左へと2から3ミリほどずつ平行移動させながら、ソバの右端を切りながら進めていくのである。 ここで、目が見えないと平行移動をするのが難しい。 だから、太いのや細いのができてしまうのである。
 ワアワア言いながら切り終え、係りの人にゆであげて貰ったものにだし汁をかけていただいたのであるが、テーブルのあちこちから、歓声やらため息やらが聞こえ、昼食が和やかでとても楽しいものになった。
 昼食後、若干の休憩をしてから、いよいよ芋掘りである。 雨の影響で、田植えかとも思えるほどのぬかるみもあり、参加者は泥にまみれながら、一心に芋を掘る。 しかし、状況が状況だけに早々と控え室に引き上げる人が多く、その場で掘り出した芋の品評会をする予定にしていたのだが、その後風呂に入る人などもいて、結局メインイベントにしようと思っていた大芋コンテストは、帰りのバスに乗る直前に準備した家庭用の2キロの計量機で主なものだけをそそくさと測定して、賞を決める事に…。
 担当者としては、秋晴れの元、出席者全員の前で、自分が掘った一番大きな芋を測定して、みんなの歓声や落胆のため息などを楽しみたかったのだが、それも適わず、消化不良に終わったものの、優勝者の芋は、690グラムという大きい芋であった。
 また、行きのバスの中では、現地到着時刻当てクイズなども行い、いまいち天気には恵まれなかったものの、けが人もなく無事帰宅でき、それなりに有意義ではなかったかと思っている。
 ちなみに、この行事に参加しての俳句の投稿は以下の通り。
   1.  ふといそば ほそいそばあり なごむぜん
   2.  ゆくあきを てうちのそばに したつづみ
   3.  そばきりの たれがきるのか リズムよく
   4.  あきざくら むれさきそよぎ あゆみとめ
   5.  ほるひとに にてとくだいさつま ほりあてる
   6.  ふかしいも ふうふうしてやる まごのてに
   7.  まなうらに ははのえがおと ふかしいも
   8.  いしやきの ふえとおりきて こめあらう
   9.  ふところに くれしいもまだ ほのぬくし
  10.  すぎしひの おいもだんぎに ときわすれ
  11.  やきいもや こごえしわれの てにうれし
  12.  ごまかされ げんちへでむき いもほりを
  13.  じゃんぼいも たいじゅうけいに そっとのり
  14.  すこっぷで いもづるしきに たいほした。

尚、当日のスナップ写真を、和視協のホームページ内に掲載してあります。 アドレスは、 http://washikyo.org/16shaken.html

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文芸部へのいざない
俳句、川柳をつくってみませんか、

文芸部 柏原善一

皆さん本会に文芸部というクラブのある事をご存じでしょうか。 これは本会会員の中で、俳句、川柳に親しみを持つ人達「現在10名」が、本会の助成金を頂き活動しているものです。
 部員は各月に、俳句 川柳を作り、それを私のところへ送って頂き、それを私なりに気づいた所を手直してそれぞれの投稿者に返送するといった形で楽しく遊んでいます。
 俳句、川柳について、ここに改めて愚説するつもりはありませんが、俳句、川柳を、作ることによってこれまでなにげなく見過ごしてきたこと、聞き流してきたことなどに、もう一歩踏み込んでそれらに関心をもとうとすることにより、そこに新しい発見をすることとなりいろいろな夢が広がっていくことになります。
 そういうことなので、よし自分も一つつくってみようと思われる方は、どんどんご参加下さい。 お待ちしています。
 以下に昨年度の各部員の秀句を、一人一句ずつ紹介します。

俳句「若竹」
 松本 かおる   畦道の行く先々に彼岸花
 米崎 みち    朝露を踏み分けて行く散歩かな
 市川 和郎    点書読む手元ふるわす扇風機
 丸山 孝夫    7合目一息入れる石清水
 辻岡 政文    秋の蝶風に色見せ飛び立ちぬ
 北口 豊     秋霖に肩濡らし行く白い杖
 柏原 善一    秋風や眼裏の顔の一つ消ゆ
 真鍋 つむよ   初大師心にしみる鐘の音
 北山 かずよ   風に舞う落ち葉追いつつ庭掃除
 宮原 としえ   亡き母の冬帽深くかぶりけり

川柳「どんぐり」
 松本 かおる   読み返す事を忘れて没になる
 丸山 孝夫    立ち読みの隣の棚にはたきかけ
 北口 豊     読み終えてしばし主役に成り代わる
 北山 かずよ   賽銭とにらみ合わせた願い事
 辻岡 政文    絵馬堂の願いかなった絵馬いくつ
 柏原 善一    酒の量へらせと妻は子に言わせ

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メンバーズ・ボイス

 このコーナーでは、会員の方々からいただいた、投稿原稿をご紹介いたします。 
あなたも是非ご投稿下さい。

「散歩」
河北分会  南部 照明
 
 私は和歌山に来て6年になります。 まず、驚いたのは歩道がものすごく細く、段差はあるし、電柱や鉄柱がやたらに多く、兄は「危険だから外に出るな」と言いますが、それでは体が鈍ってしまいますので、兄に内緒で、歩いて徐々に距離を伸ばしました。 当時は、擦り傷が絶えず、痛い目に遭いました。 そして、今は慣れて、どこに障害物があるか覚えて、毎日40分は歩いています。
 ところが、最近視力が衰え、いつも歩いている道なのに、いつの間にか横道へそれて駐車場に迷い込んで、金網から出られなくなったり、まさに「かごの鳥」ではないかとあせったり、先日などは、信号をわたってもう一度左へ渡ったはずが、道路の真ん中に出てしまって、左右を車が走り抜け死ぬ思いをしました。 たまたま、道を歩いていた人が「じっとしておれ」と、言ってくれて事なきを得ました。
 また、散歩道に1mほどの側溝があり、県の土木事務所に直してもらえないかとお願いしましたら、「やります」と言ってくれますのに、未だに直してもらえません。
 初めの頃は、人を介して何度も頼んで、その都度「やります」の返事はいいのですが、「こんなええかげんな役所は初めて」です。
 毎年、公報を通じて、高齢福祉室から60歳以上の人に、「40万歩歩かないか」との誘いに用紙をもらってきてもらい、二ヶ月間、音声歩数計を付けて歩いたのを、ヘルパーさんに熊野古道マップに記入してもらって、今年は辛うじて達成しました。
 過去二年は、余裕を持って歩けたのに、この分だと来年は無理かもしれません。 
尚40万歩歩くと「完歩賞」を市長の名前入りでくれるので、これを治療室に置いて、患者さんにも歩くことを勧めています。
 名古屋から含めて、14年続いた散歩ですが、今のところ何とか続いています。 
卯年生まれの私が、歩みの鈍い亀になってしまいました。

「一人歩きに思う」
河西分会 幸前 勇

 以前に「白い杖」に投稿させてもらった時、一人歩きについてだった。 あれから3年経ったが、未だに状況は変わらず一人でウロウロしている。
 会議や研修会などでちょっと遠くへ出かける時は基本的に電車を利用する。 慣れた南海電車の加太駅や和歌山市駅・JR和歌山駅などはほとんど大丈夫なのだが、大阪駅や新大阪駅など乗降客の多い駅やほとんど行った事のない駅ではホームの移動などで駅員さんにお世話になる事が多い。
 昔、国鉄だった頃は全国的にサービスが悪かったがJRになってから随分と良くなった。 一番利用頻度が多いJR西日本は比較的親切だ。京都駅などでは職員向けにガイドヘルプの研修もされていたらしい。
 一昨年の夏に長崎へ行くのにJR博多駅を利用したが、前日の長崎本線の列車脱線や駅構内の冠水で自動改札も動かない中、新幹線の中まで助役さんが迎えにきてくれたり帰りの乗り換えの時も非常に親切にしていただいた。
 それに比べて利用頻度は僅かだがJR東日本は冷たいような気がする。 言葉の違いもあるのかと思っていたが、地元の人でもそう思う事が多いらしい。
 その中、東急電鉄では400人ほどの駅職員がサービス介助士の資格を有しており、来年中には更に増やし全駅での常駐を目指しているそうだ。 こういうのが広まっていってくれると利用しやすくなる。
 ただ、介助というと肢体障害の人への対応がほとんどで、エスカレーターは避けてホームの端のエレベーターを利用するなど視覚障害者の誘導法が間違って理解されている事も多いので気をつけてもらいたい。

「最近思うこと」
東和分会  北山 和代

 昔から言われている還暦も過ぎ、古稀も二年前過ぎた今、半世紀に渡り続けてきた仕事からも開放され、ただ専業主婦として日々を送っています。 もっとも主婦と言っても、夫との二人暮らし、気の向くままの毎日です。
 最近、少なくなってきた仕事に私は「もうここらで廃業しては」との声に頑として「生き甲斐だ、誰も来てくれなくなるまでやる、仕事辞めたら何をするんだ」と反論する夫と老夫婦の喧嘩が始まるのです。
 私も寄る年波か忘れっぽくなり、機敏さも薄れ、その上二人とも医者通いが増えて仕事を辞めたら、あれもやろうこれもやりたい等々考えていますが、どうも体の方がついてきてくれないようです。
 無理をしてでも、やりたいことはやり、行きたいところには行くようにしなければ、歳をとってからでは無理だと言うことが今つくづく痛感しています。
 夫共々役職にあった頃は、仕事に追われながらも西に東にと飛び回り、よく人から「あなた達は家なんかいらないくらいね」等とからかわれたり「よくまあ、体がもつものやね」と、感心されたりしたものでした。 少し病弱だった夫を支え、私は持ち前の負けず嫌いで突っ走って来たものです。 会議とはいえ、全国ほとんど知らないところはないくらい行って来ました。 そして帰ればすぐ仕事、今思い出せばやはり若さだったのだなぁと思います。
 70代の後半を迎えたものと70代を上りかけたものとですが、気持ちだけはまだまだ50代、十分に人生をエンジョイしていくつもりです。 気がつけば老人の仲間入りしていたといった感じです。
 こんな私たちですが、今後とも和視協の皆さんよろしくお願いしておきます。

「川柳と出会って」
東和分会  丸山 孝雄

 私が川柳に興味を持ったのは随分前になります。 早朝のラジオ番組で、今はパーソナリティーが代わっていますが、そのころ「エノさんのおはようさん」と言う番組がありました。 毎週木曜日に川柳コーナーがあって、リスナーが作った川柳を発表したり、また添削してくれたり、作り方を教えてもくれていました。 当時、まだ和歌山市盲人協会と言っていた頃で、和歌山市が市制100周年の記念行事で、和歌山市盲人協会で川柳の募集があって、初めてこんな句を作って投稿しました。 ちなみに課題は「記念」でした。
 「記念写真この時ばかり肩に手を」
 この句が佳作に選ばれて、商品もゲットしました。 この歳になってもほめられると嬉しくて、ますます興味を持ちました。
 そんなおりに、和視協にも文芸クラブ川柳・俳句があると聞いて早速入会させてもらいました。 毎月作品を投稿して選者の方に見てもらっています。 添削をしてもらったり、適切なアドバイスをもらってもいます。
 年に一回句会もあり、そのなかで入選した句の中から、皆で好きな句を選んで一番票が多かった句を年間賞に決めています。 私も3回年間賞をもらいましたが、なかなか川柳の三要素と言われる「うがち・おかしみ・かるみ」を表現出来るまでにはまだまだ、時間がかかりそうです。 最近は俳句でも仲間に入れてもらっています。
 会員の皆さんも是非気軽に文芸部に入会してみませんか。

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ご存じですか?こんなサービス

畠中 常男

 最近、インターネットなどを使って、好きな映画などを好きな時間に、自宅のテレビやパソコンで見ることのできる「ビデオ・オン・デマンド」と言うサービスが注目されています。 少し趣は異なりますが、私たち視覚障害者向けのサービスで、それによく似たものがあります。それが、◎録音図書ネットワーク配信システム「びぶりおネット」です。 このサービスは、日本点字図書館と、日本ライトハウスが共同で行うもので、コンピュータ内に蓄えられた、図書を朗読した音声のデータを、自宅や職場のパソコンを使って、インターネット経由で聞くことのできるシステムです。
 普通、録音図書と言えば、聞いてみたい本を点字図書館から貸し出しを受け、テープレコーダやプレックストークなどを使って聞きますが、この場合、希望の本が貸し出し中であったり、貸出期間の制限や、郵送に要する日数など、即時・即読と言うわけには行きません。 また、せっかく借りたけど、あまりおもしろくなかったとか、続きを早く聞きたいと言うこともあるでしょう。 その点、この「びぶりおネット」を利用しますと、そう言った制限は一切無く、聞きたい本を聞きたい時に、24時間気ままに利用することができます。 ただ、このサービスは、昨年の4月より開始されたばかりで、まだ、あまりタイトル数が多くないと言うのが難点なのですが、利用者の増加も相まって、ずいぶん蔵書も増えつつあります。
 ご利用になるには、パソコンと、高速インターネット回線、専用の再生ソフトの購入が必要ですが、とっても便利なサービスです。
 尚、詳しいお問い合わせは、
社会福祉法人 日本ライトハウス盲人情報文化センターまで。
〒550-0002 大阪市西区江戸堀1-13-2 電話:06-6441-0015  
fax :06-6441-0039 e-mail:HBD00035@nifty.ne.jp


クイズ・クイズ・クイズ

北口 豊

 会員の皆さんこんにちは、北口です。 今回は、このコーナーを私が担当することになりました。 誰でも参加いただけるようなものをと思いましたが、なかなか難しいもので、今まで出題していただいた宮本さんとは少し形を変えてみようかと思います。
 正解者には豪華賞品を準備していますので、がんばってチャレンジしてみてください。 尚、正解ならびに当選者の発表は、平成17年度に行う和視協の行事の折りに行いますが、正解者多数の場合、抽選の上商品をお渡しする場合もございます。 悪しからずご了承下さい。
[問題]
 次の文中のカッコの中に、適切な言葉を下の「ヒント」から選んで入れて下さい。
 春の七草とは、 せり @(   ) ごぎょう A(   ) B(   ) すずな C(   ) これぞ 七草」と古くから歌われてきた春の七草です。
1月D(   )の朝に七草粥を食べる風習があります。
E(   )時代からこの習慣があったようです。
平安時代に書かれた清少納言のF(「   」)には、”七日の若菜、六日、人の持て来……”という一文があります。7日の朝、歳神に供えてから家族で食べると万病を払うとされていました。正月のごちそうで弱り気味の胃を休めるという知恵から始まったという説もあります。
 これに対し、秋の七草は、残暑を少しでも和らげるためにか観賞用のものがほとんどで、万葉集に、「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花。萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝貌の花」 (山上憶良) と詠まれています

ヒント
モロヘイヤ  なずな  カボチャ  水菜  はこべらまむしのかまくび  おしゃかのふんどし  ほとけのざ  のみしろ  やくざのよにげ  このしろ  すずしろ  1日  7日  11日15日   月末  平安  平成  縄文  青年  「枕草子」  あすか  「けりたい背中」  「徒然草」 

 尚、ご解答は、平成17年4月末日までに、北口豊までお願いいたします。
 北口 豊 : 電話445-6851 〒641-0013 和歌山市内原871−9

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編 集 後 記

 機関誌「白い杖」を最後までお読みいただき、ありがとうございます。 多くの皆様方のご協力とご支持をいただき、今回も何とか発行することができました。 編集スタッフ一同、心より感謝申し上げます。
 皆様からのご投稿が、紙面作りの必須栄養素です。 次号発行の折りにも、よろしくご協力のほど、お願い申し上げ、編集後記といたします。


 和歌山市視覚障害者福祉協会 機関誌「白い杖」
 平成17年3月発行 通巻 第33号
 発行者  和歌山市視覚障害者福祉協会
      〒640-8319 和歌山市手平3丁目10番8号
      電話073-424-8590      
 編集責任者  山嵜 景生
 編集スタッフ 北口 豊  幸前 勇  沢田 留司  畠中 常男




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