和歌山市視覚障害者福祉協会機関誌「白い杖」第43号
白い杖 第43号 平成27年3月 発行 和歌山市視覚障害者福祉協会 目次 1. 巻頭言 2. 和視協この一年を振り返る 2−1 和視協行事 2−2 女性部行事 2−3 関連団体行事・会議他 2−4 受賞者 2−5 会員の動向 3. あがらの広場 3-1 落ちる 3-2 わたしたちのエンジョイライフ 3-3 長崎ガンバランバ大会に参加して 3-4 ポジティブに生きよう!! 3-5 心 4. 文芸の小道 4-1 俳句 4-2 川柳 5. クイズコーナー 6. 編集後記 巻頭言 会長 畠中 常男 まずこの一年、皆様方からの和視協に対するご支援とご協力に対し、執行部一同心から御礼申し上げます。 さて、障害者福祉は、今変革の時期を迎えております。 平成25年4月に、「障害者総合支援法」が施行され、昨平成26年1月には、永年の悲願でもあった「障害者権利条約」が批准されました。 又、平成25年6月に公布された「障害者差別解消法」は、来る平成28年4月から施行されます。 これらの法律が目指すところは「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を計る」と言うことで、たいへん高いところに目標を置いています。 最近、車いす使用者のためのスロープやトイレの設置など、比較的人の目につく、いわゆるハードウェアとしての福祉は幾分改善傾向にはありますが、市の発行する文書の点字化や、視覚障害者の日常生活のサポートなど、福祉の場におけるソフトウェアがなおざりにされているように感じ、機会あるごとに訴えてきました。 我らが和視協は、結成以来ひたすら視覚に障害のある人々の、生活と地位の向上、又、ともすれば孤立しがちな人と人との親睦に努めてまいりました。 最近、少し会員の数が少なくなってきたとは言え、和視協は市の身体障害者連盟を構成する、和歌山市が認めた福祉団体です。 会員が力を合わせ行動し、総意である要望を市当局に訴えるならば、必ず解決できる課題もあるでしょう。 変革の時期こそチャンスです。今こそ組織力を強くして、心を合わせ、明るい未来の福祉社会を目指して前進しましょう。 和視協この一年を振り返る 平成26年度和視協事業報告 書記 坂井 勉 本年度の事業報告です。毎年ですが事業内容には試行錯誤しています。会員の皆様どうか良いお知恵を頂けますようお願いします。 又社会見学では多くの参加希望者があり抽選となりました。惜しくも抽選に外れた方は誠に申し訳ありませんでした。 4月6日 和視協26年度総会 ふれ愛センター3階研修室1 2階視聴覚室 13:00〜 議 長:佐野氏・西中氏 会員数92名 出席者 40名 委任状 21通 計61名 4月20日 第1回和視協執行部会 ふれ愛センター3階会議室2 10:00〜 和視協第1回理事会 同所 11:30〜 6月1日 点字教室 ふれ愛センター3階研修室2 13:30〜 @ビブリオバトル A点字ディスプレイ等の展示・体験 参加者 34名 7月6日 第1回教養講座 ふれ愛センター3階会議室2 13:30〜 「和歌山の歴史を訪ねて」 雑賀衆沙也可で町興しの会 代表 辻 健氏 参加者 25名 8月24日 第2回執行部会 ふれ愛センター3階会議室2 10:00〜 理事会 同所 13:30〜 9月14日 和視協社会見学 福祉バスにて、六甲山「山の上美術館・オルゴールミュージアム」 参加者38名 六甲山の入り口より渋滞が始まり、1時間30分遅れの着となり、参加者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。 10月5日 福祉学習会 ふれ愛センター3階研修室2 13:30〜 「ネットスーパーについて」 講 師:オークワ本社:大谷氏他 参加者数 35名 12月7日 和視協文化研修会ふれ愛センター4階大会議室 13:30〜 @文芸発表会 Aトークとコンサート 講演:安川修氏 講 演 演題 「最後まで自分らしく生きるために」 講 師:安川 修 氏 平成27年1月18日 和視協研修会 ふれ愛センター3階研修室2 13:30〜 「視覚障害者用日常生活用具と補装具における最近の動向と今後の展望」 講 師:市障害者支援課:田又ゆかり氏他 参加者 29名 2月11日 第2回教養講座 ふれ愛センター3階研修室2 13:30〜 「視覚障害者向けGPS歩行支援機器について」 (有)エクストラ:深見哲史氏 参加者 18名 3月8日 第3回理事会 ふれ愛センター3階会議室2 13:30〜 平成26年度和視協女性部行事 4月13日 県視協女性部総会・交流会 白浜町 4月27日 社会見学 野外活動 和歌山城 6月22日 ビューティー講座 ふれ愛センター 7月27日 体操教室 ふれ愛センター 8月17日 読み語りの会 ふれ愛センター 11月16日 県視協盲女性家庭生活訓練事業 白浜町 12月21日 料理教室 ふれ愛センター 平成27年2月8日 陶芸教室 ふれ愛センター 3月1日 女性部総会・講習会 ふれ愛センター 関連団体の行事・会議他 4月20日 市身連 平成26年度代議員会 ふれ愛センター 4月27日 県視協第1回部会委員会 県総福 5月11日 市身連 社会見学 堺市 5月20日 市身連第1回理事会 ふれ愛センター 5月22〜23日 第59回日本身体障害者福祉大会 島根県松江市 5月25日 県身連理事会・評議員会 県総福 5月29〜31日 第67回全国盲人福祉大会 大分県 6月15日 県視協文芸大会 田辺市 7月27日 市身連 市長杯将棋大会 ふれ愛センター 8月1日 市身連第2回理事会 ふれ愛センター 8月3日 県視協街頭キャンペーン 和歌山駅前 市駅前 同日 県視協点字競技会 県総福 8月29日 和歌山市福祉対策協議会 ふれ愛センター 9月1日 障害者雇用支援月間街頭キャンペーン 和歌山駅前 9月7日 第57回和歌山県身体障害者福祉大会 かつらぎ町あじさいホール 10月19日 県視協研修会 県総福 10月26日 市身連第62回福祉大会・平成26年度第1回教育講座 ふれ愛センター 11月11日 和歌山市社会福祉大会 市民会館小ホール 12月3日 障害者週間啓発事業街頭キャンペーン 和歌山駅前 12月5日 平成26年度障害者自立更生等厚生労働大臣表彰 表彰式 厚生労働省 同日 第12回 紀の国チャレンジド賞授与式 県庁 12月7日 和歌山市障害者福祉表彰式 市役所 12月14日 市身連第3回理事会及び懇親会 アバロームきのくに 平成27年1月5日 市長への年始 市役所 1月16日 県身連 知事を囲む懇談会 和歌山県自治会館 1月25〜26日 県身連幹部研修会 白浜町 2月15日 市身連 第2回教育講座 京都太秦映画村 2月22日 県視協第2回部会委員会 県総福 3月25日 市身連第4回理事会 ふれ愛センター 平成26年度受賞者(敬称略) 本年度は以下の方々が受賞されました。 心よりお祝い申し上げます。 平成26年9月7日 第57回 和歌山県身体障害者福祉大会 県身連会長表彰:礎賞 市川和郎 平成26年10月26日 和歌山市身体障害者連盟 第62回福祉大会 連盟会長表彰:能澤義和 会長感謝状:南部照明 平成26年12月5日 平成26年度障害者自立更生等厚生労働大臣表彰表彰式 厚生労働大臣:自立厚生者表彰 北口豊 平成26年12月5日 第12回 紀の国チャレンジド賞及び紀の国チャレンジ ド・サポート感謝状授与式 知事表彰:自立更生者賞 丸山孝雄 平成26年12月7日 和歌山市障害者福祉表彰式 市長表彰:家族功労者賞 能澤昭美 以上の方々が受賞されました。おめでとうございます。 会員の動向 新入会者(敬称略) 河北分会 吉田 征夫 平成26年4月 和歌浦分会 亀山 直美 平成26年7月 退会者(敬称略) 紀伊分会 木下 満雄 紀伊分会 土師 俊子 お亡くなりになった方 河北分会 川辺 敏子さん、急病により昨年7月に帰らぬ人となりました。今でもあの明るい人柄が偲ばれます。紙面をお借り して哀悼の意を表し、皆様と共に謹んでご冥福をお祈りし ましょう。 会員数91名(平成27年3月現在) あがらの広場 落ちる 南部 照明 もしこの文章が私が書いている12月に届いたとしたら、受験生がおられるご家庭なら「縁起でも無い」とお叱りを受けるかも知れませんが、年度末なのでほっとしていることでしょう。 私の故郷はたった9軒の小さな村で、隣村へ行くには峠を越えなければならないし、もう一報は60メートルほどの橋を渡っていきますが、子供の頃にこの橋から落ちたのです。 幸いにも昔話の桃太郎じゃ無いけれど、洗濯をしていた人がいて助け上げてくれました。 こんな歌をご存じですか? 一休さん一休さんこの橋渡っちゃいけません なぜなぜ渡って来たのです いえいえ橋は渡りません 真ん中通って来ましたよ また、田舎のトイレはお粗末なもので、板を2枚渡しただけなので心配したが落ちなかったものの、夢では何度も落ちました。 学校を卒業して即開業とはならず、各地を転々として目処が立ったので目指す周旋屋で良い物件を案内されたのですが、あまりにも道順がややこしかったので自分で確かめようとしたときに、狭い道を車の音がしたので道路脇に寄ったらドブーンとどぶへ落ちました。 その臭いの臭くないのと言ったらありません。 元の周旋屋に飛び込んで衣類を貸してもらって兄を呼んで大騒動でした。 結局白線だと思ったのが見誤りだったわけです。 和歌山へ来たのは1998年の12月で、翌年早々から仕事を始め、それなりに軌道に乗って順調だったが、患者さんが高齢の人が多く、亡くなる人が増えて落ち目になりだした頃、前回も書きましたが、ホームから転落して入院して休んだため、家賃の安いところをと思い立ち現在の団地に引っ越したわけです。 指折り数えると8回も転居し、文字通り引っ越し貧乏である。 この団地は4階建てなのでエレベーターが無く、共益費を納めに行こうと階段を上がり、郵便受けに入れて降りようとしたときに6段を下まで転がり落ちました。 琴ノ曲に「6段の調べ」という美しい曲がありますが、幸い大事に至らず、頭から血が出ていることが分かったのでアルコール消毒してその足でカラオケ喫茶に行きました。 店でもまだ血が出ていると手当をしてくれました。 腰も多少痛かったので念のため医者でレントゲンを撮ってもらって異常なしで湿布をヘルパーさんに何度か貼ってもらって直りました。そんなわけで、今はヘルパーさん無しではなんにもできなくなりました。 仕事も団地でなかなか許可が降りず、6週間経ってやっとでした。 だからほんの小遣い稼ぎで暮らしています。 今後転倒するようなことがあると、寝たきりになってしまうので、それだけは気をつけています。 照明のあきは明るいと書くので気持ちだけでも明るくありたいものです。 私たちのエンジョイライフ 東和分会 南出 育代 皆さん、楽しんでますか? 私達楽しんでいます。 2013年、2014年と毎日楽しい事を探していますよ。ネットを使ったり、仲間に聞いたりして近場であちこちのおまつりを見に行ったりしています。 2014年は特に息子の「高校書き初め大会 準特選」で表彰された年でもあり、特に印象に残った年でした。 今迄ずっと外に出る事も少なく家の中で過ごす方が多かったのですが、親族の死、身近な人々の死を目のあたりにし、「この人、こんな人生だったなあ」といろいろ思いを馳せた事がきっかけで、「家族で楽しい年探し」を始めました。 お金をかけず無料のもの、一人500円くらいと予算を決めて少しずつ少しずつ参加するものを増やしていきました。 最初は落語雅楽から始め、息子の希望、好み、私の好みを各々混ぜ込み、少しずつ分野を広げていきました。 春はフォルテワジマで まな板づくり、梅ジュース、おしょうゆをつくってみたり(完成品の梅ジュース、おしょうゆ共に大絶賛!) 夏は岡の宮さん、芦原診療所での夏まつり、吉本の芸人さんと、「お兄ちゃん!」「おっ!、きたん?」と笑いあったり、何気ない言葉が色のない世界から明るい世界へと変えてくれたのがうれしくなったり 萬斎さん、楽しいコンサートや博物館で珍しいものを発見、又、日本の伝統芸能を鑑賞し、感動を与えてもらったしと、とても充実した日々になりました。 特に気にいったものは雅楽のワークショップの龍笛の音の素晴らしさに「次はいつ?」と聞くと「2015年だよ」と教えてもらい、今からとても楽しみです。 紀陽コンサートでは楽団員の方と写真を撮り美しいクラシックも聞けて感動! メディアアートホールでのコンサート鑑賞、場所がわからず通行人に訪ねたり・・・ 秋まつり(湊御殿公園)では国体マスコットキャラクターのきいちゃんとふれあい、おでんを買って帰っておいしくいただいて「もう今年も残りひと月ちょっとだね」とふりかえった一日。 2014年は初めての事がいっぱい、もうすぐ出来上がる春につけた梅酒も「おいしくできたかな、どうかな 」とワクワクしています。 たくさんの人々に支えられ「元気と癒し」をもらった一年、たくさんの仲間ができた一年、ハジケた一年、できないこともたくさんあるけれど、とてもステキな一年になりました。 そうそう今年は忘れてはいけないのは「神々あそび」のこと、ステキなキャラがいっぱいで待ち受けも「神あそ」に変えました。 私はバルドルがお気に入りで「絶対バトル! バルドルの北欧へ連れていってね」息子は「寒いからこっちゃ身がもたんわ!」「じゃあ避暑に北欧!」「遠い!、行くならアポロンのギリシャ!」と夢いっぱいの冗談を言いあっています。 2015年はえべっさんから、まだまだ楽しいことがありそうです。これからもたくさんの夢を追い楽しいことを探していきます。 直接的、間接的に支えてくれた人々に感謝をこめて、merci beaucoup spasibo! ありがとう! 長崎ガンバランバ大会に参加して 和歌浦分会 北口 豊 私は昨年秋の第14回全国障害者スポーツ大会に連れて頂くチャンスがありました。 出場のSTT(サウンドテーブルテニス 旧盲人卓球)の結果はさんざんなものでしたが、結果より遙かに貴重な体験をたくさんして帰りましたので、その一端をここに記します。 実は数10年前、私が学生だった頃に陸上と同じ盲人卓球で出場したことがありました。 その頃は、「全国身体障害者スポーツ大会」と呼ばれ、視覚・聴覚・肢体の障害者のみの大会で、一生に1度しか出場できないとされておりました。 それが、2001年から「全国障害者スポーツ大会」と「身体」の二文字がカットされ、いわゆる知的障害者と精神障害者も一緒に出場する大会となったのです。 それで、自然視覚障害者の枠が狭くなり、なかなか出場の機会が無かったのですが、今年は和歌山大会ということもあり、私にもそのチャンスが頂けたということでした。 さて、私の試合結果は上記の通りで、自分の実力を痛感させられ、再度ねじを巻き直す機会になりましたとだけにとどめさせてください。 私たち卓球の会場は本会場の諫早市とはかけ離れた大村市で、また、宿舎はそこからバスで高速を使って1時間以上も離れた佐世保市内でした。 だから、毎日その距離を往復したのです。 だけど、この佐世保市だったことで良かったこともいろいろありました。 その一つは、到着明くる日は10月31日のあのハローウィンの日で、20年ほど前だったかアメリカ在住の日本人の少年がこのイベントの仮装だったのに謝って射殺された事件で私は初めてその行事を知った記憶がありますが、最近は日本でも都会などではけっこう盛んになりつつあるようですね。 その、ハローウィンと重なり、夜に宿舎近くのアーケード街に散策に出たときのことです。それはそれは、あちこちで仮装した若者が酒の力も借りて大騒ぎです。 その騒ぎ声を注意して聴いてみるとほとんどが英語みたいなのです。 時々奇声に混じって日本語が少し聞こえるくらいです。 私をサポートしてくれた県の職員のAさんもその光景を見ていささか興奮気味。 看護師さんの白衣を着てその白衣にベッタリ血に似せた赤いインクのようなものを垂らしたり、悪魔の衣装をしたり、かわいい女性が頭に鬼の角のようなものを付けたりと様々な仮装をした若者で溢れかえっていました。 そのほとんどが外国人であることから見えない私には日本の佐世保に居ながらにしてまるでニューヨークかロサンゼルスにでもいるような錯覚を受けました。 それもそのはず、佐世保はご存じのように米軍基地の在る所だったんです。 二つ目は、和歌山でも聞いたことのある「サセボバーガー」というのを食べたことです。 印象としては特に有名な王手ファストフード店のものと大差ないように思いましたが、地元で評判の店で食べたものより愛想の悪いけれど人間味あふれる方言たっぷりなおばちゃんが一人でそれも夜8時以後しか開いていないという小さな店のものの方が野菜たっぷりでスパイスが効いて美味しく思いました。 三つ目は我々のチーム付きのボランティアさんが長崎県の職員さんを含め3人おりましたが、その人たちとの交流でした。 私たちのチームには聴覚・知的・肢体・視覚のそれぞれの障害者がおりましたから応援も障害に応じた工夫をしてくれていて、聴覚の女の子には「ガンバレー」って書いたプラカードを振ったり、私には点字で書いた手紙をもらいました。 書いたと書きましたが点字版で書いたものじゃなくていわゆる点のシールを一つ一つ点字の形に貼り付けたものでした。 また、メダル授与式では、会場を1周するのですが、看護学校の1年生というDさんのサポートでちょうど娘のいない私にはバージンロードを歩く父親の心境に似た印象があり、二人で笑い合いました。 最後の空港での別れのセレモニーでは皆が涙ボロボロで年甲斐もなくこんな私も不覚にも思わずウルウルしたものです。 もう一つ、私が印象に残ったのは二人の知的障害の人との出会いでした。 昨年9月でしたか埼玉の全盲の女学生の白杖がひっかかったということで彼女が何者かに足を蹴られたという事件が報道され、少なくとも私たち視覚障害者の間では大きな波紋が広がりました。 その後、目撃者証言や防犯カメラなどの調査から知的障害の男性の犯行だったということが明らかになり、そのままニュースもうやむやになったことがありました。 このニュースを聞いて、同じ障害者同士間でのトラブルだったことから、私自身なんとも複雑な思いを拭いきれずにおりました。 今回たった1週間でしたが共に行動した二人は私に対してとても好意的でした。 専属にサポートしてくれた和歌山から同行した県職員のAさんの手引きのやり方をずっと見ていたのでしょう。 後半の外出の時にはほとんどその二人の知的障害のBさんとCさんの手引きで行動できたのです。 先のニュースと比較するのはやや論点が異なるかも知れませんが、それまで胸の奥でもやもやしていたものがこの二人と出会ってそれが吹っ切れましたし、その一人のBさんとはメルアドも交換してメル友の一人になりました。 二人は立派に自立して一人は大手スーパーの商品補充等で、また、もう一人は外資系のファストフード店の厨房で下ごしらえをして働いていると聞きました。 昨今、異物混入騒ぎなどで何かと世間を騒がせておりますが、この二人が、そんな騒ぎの余波のあおりを受けなければと密かに願うぐらいのことしか私にはできません。 世の中は大半の健常者と種類の異なる障害者が混在して日々生活しています。 互いに理解し合えないことの在るのはやむを得ないことです。 しかし、一人一人が手を取り合い、互いに弱点を補い、知恵を出し合い、力を合わせて生活して行けるのは人間だからできることで、大宇宙の中の小さな惑星の地球を支配する人間たる所以で在ると思います。 思想や宗教・しがらみや利害関係等にこだわらない地球人として皆が平和に暮らせる日が1日も早く実現することを願うばかりです。 (注) ハロウィンとは、毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのこと。 もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカで民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。 カボチャの中身をくりぬいてランタンを作って飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする風習。 仮装の例としては、有名な人物、たとえばマイケル・ジャクソンとゲイシャや、恐ろしいものとされる、幽霊、魔女、コウモリ、悪魔、黒猫、ゴブリン、バンシー、ゾンビなどの民間で伝承されるものや、ドラキュラや狼男、フランケンシュタインのような欧米の怪談や恐怖小説に登場する怪物であったり、お姫様・海賊などといった人物、しかもあまりリアルな姫や海賊ではなく、ディズニーのキャラクターやスパイダーマンやバットマンなど米国人に人気の漫画・映画のキャラクターの仮装も行われるようになった。 また、大人になると看護師、メイド、ヒッピー、フラッパーなどに仮装したり、異性装をする例もあり、見る人にあまりに不快感を与えないような仮装であれば何でもかまわないと考えられている。(ウイキペディアより、転載) ポジティブに生きよう!! 能澤 義和 皆さんは春山茂雄という方をご存知ですか? 「脳内革命」という本を書かれて一世を風靡した医学博士です。 この本は確か500万部以上売れて大ベストセラーになったのではなかったかな。 『脳から出るホルモンが生き方を変える』、『プラス思考こそが成功の源』等と言ったフレーズが毎日のように当時のマスコミを賑わせていたような気がします 。春山博士は京都のご出身ですが、実家は鍼灸治療院をされていたようです。 そんなわけで東洋医学的な考え方が自然に身についていたようにも思います。 最近は心身一如を治療の根本理念におきお医者さんとして活躍されているようです。 また、脳科学者の茂木健一郎先生もご存じだと思いますが、やはり同じように、『ポジティブが脳を換える』と言って、感情は脳を働かせるエンジン、人生を楽しく健康的に送るには物事をポジティブにとらえることが大切だと言っておられます。 感情の座である大脳辺縁系の扁桃体という場所から、ポジティブな感情刺激を受けてドーパミンという快楽を促す物質を放出して快感の状態になるとのことです。 そのとき脳はアルファー波を発し、記憶力を向上させたり、人間関係を平和に保ち、やる気や忍耐力、想像力を発揮する力が活性化されるようです。 専門的にはA10神経とベーター・エンドルフィンという物質が関与するそうです。 好きな音楽を聴いたり、スポーツをして汗を流した後に爽快な気持ちになるのも正にこした状態なのでしょうね。 私たちは障害があるということもあって、なかなかこうした気持ちにはなりにくいものですが、普段からあまり小さいことや人間関係の煩わしさにくよくよせず、何事にも明るく前向きに考えろということでしょうね。 これをオプティミズム・バイヤスというようですが、楽観主義ということです。 楽観的な時は多少不安はあっても『えい!ヤー!』と、実際に行動に移してしまうことが多いですよね。 その結果偶然の幸福に出会う可能性も高くなるので、ポジティブな姿勢が人生を好転させることになるのでしょうね。 逆に、ネガティブなイメージを持った者に対しては、扁桃体は沈静化して、小さく現実から遠いと感じてしまいます。 そうなると、不確かな未来に怯えて、何も行動をとらなくなりがちです。 すると、せっかくのチャンスが失われてしまい、すぐ近くの未来にセレンディピティー(思いがけないものを偶然に発見すること)が待っていたとしても、巡り会えないんですね。 よく言うのが、『根拠のない自信を持って、それを裏付ける努力をしよう!』 ということです。 学ぶことは脳にとって一番大事な栄養です。 それなのにできるという根拠がないと学ばないようでは何も始まりません。 ポジティブな気持ちで最初に自信をもってしまう。すると、本当にできることとして脳がとらえていくのですよね。 皆さんもこれからの生き方としてこんな人生を送られてはいかがでしょうか。 おそまつさまでした。 心 紀伊分会 松本 薫 いつでも明るく生きるの 心の友達待っている 泣くんじゃないのよ元気よく 明日に希望繋いでる 明るい日差しを浴びながら 心のしこりもほぐされる 手と手を合わせて元気よく 明日の未来を築くのよ 文芸の小道 本会には俳句を楽しむ「若竹」と川柳を楽しむ「ドングリ」という二つの文芸サークルがあり、16名の人たちが作句を楽しんでいます。 各月に俳句は渡辺町子先生を、川柳は三宅保州先生を講師にお願いして課題に応じた句を作って先生に通信でご指導頂き、年に1度先生を囲んでの直接指導の受けられる句会を開催しています。 三宅先生は「川柳を『ぼけ防止』のためにやっている」と言われるのを嫌います。 せめて「脳トレ」、「頭の体操」、「生き甲斐」としてチャレンジして欲しい」と言うのが先生の持論です。 それは私も同感です。 一般の新聞の川柳欄に掲載してもらえるようになれば自分の励みにもなるし楽しみも倍増します。 少しでも興味のある方は北口までお知らせください。 一緒に楽しみましょう。 以下に、会員の26年度中に選んで頂いた優秀句を紹介します。 (掲載は50音順) 俳句 青空を飲み込むごとく鯉幟(北口豊) 里の村空に映えるや萌黄色(栗本邦男) 運動会パパはカメラに夢中です(河野敦美) 退院のやっと許可降り春が来る(吐崎敦子) 若葉風朝練に行くジャージの子(丸山孝雄) 久方の小雨に若葉生き生きと(米崎道) 宗達の雷神まさに頭上なり(栗本邦男) 蟋蟀(こおろぎ)や通り過ぎたか終電車(丸山孝雄) 幼子やひまわり畑かくれんぼ(宮地良和) 膝折りて触るる稲穂に今を知る(市川和郎) 色違い襟巻き買って母と巻く(吐崎敦子) 沢庵や漬け物石も受け継いで(丸山孝雄) 母編みし親子揃いのマフラー巻き(宮地良和) 深く巻く母の形見の襟巻きを(宮原敏恵) 川柳 課題 「口」 口一杯入れたところへ電話ベル(一歩) 何でやねん俺の財布は出口だけ(邦男) 春色の口紅心若やいで(志津子) 目薬をみんな大口開けてさし(孝雄) 口数の減った家内が舟を漕ぐ(武司) 目と耳はしいても口は生きている(敏恵) 一昨日の不平が止まらない蛇口(途夢太郎) 課題 「心」 心持ちゆったり過ごす老後の日(敦美) 心眼を曇らぬように磨いてる(孝雄) 心身を健全にする大笑い(武司) 心中の影武者たまにしゃしゃり出る(途夢太郎) 心得は先人たちの贈り物(章夫) 独り寝の心細さに聴くラジオ(道) 課題 「なるほど」 なるほどと頷き(ウナズキ)ながら合点せず(敦美) なるほどと後の祭りに手を叩き(一歩) 膝を打つ友の忠言悩み失せ(邦男) 宇宙人納得せんよ再稼動(孝雄) 禁煙か君も親父になるからな(途夢太郎) なるほども相槌だけの聴き上手(章夫) 課題 「水」 覆水も集めて楽し高齢期(邦男) 水低きに流れ今日もただ怠惰(志津子) 里帰り五臓六腑に井戸の水(孝雄) 箱庭の苔チェックし霧を噴く(武司) 心の襞(ヒダ)伸ばして映す水鏡(途夢太郎) 力水つけたライバル勝ち名乗り(章夫) 非常水使うことなく願いたい(良和) 課題 「年の瀬」 逆境の谷間に咲いた冬の花(薫る) 年の瀬に巾着の紐締めてたが(孝雄) 組違い夢消失の大晦日(武司) 大掃除手伝えないが電話番(敏恵) 流行も知らない新語流行語(途夢太郎) 息切らせ今年もつけた鏡餅(良和) クイズコーナー 今回は、いくつかのヒントを上げ、それを元に答えを出して頂く「私は誰でしょう」風な問題にしました。 「誰」と言っても人物とは限りません。 また、答えは一つとは言えないかも知れませんが、あくまでも私の準備した答えを正解とさせて頂きます。 応募方法:氏名・解答を明記し文書かメールで平成27年5月10日までに北口までお寄せください。 正解者には5名様に豪華景品を進呈いたします。 正解者多数の場合は点字教室の場で抽選の上決定します。 応募先:北口豊 〒641−0013 和歌山市内原871-9 Eメールアドレス owlmail-from-tomtarotan@silver.plala.or.jp 第1問 ジャカジャン (第1のヒント):約3000年前の古代エジプトでは、ブドウの蔦で作られ た輪を棒で地面の上を転がしていたものが起源。 (第2のヒント)1958年にアメリカで大流行し、日本中でも爆発的に売 れたが、このために胃や腸に障害を起こしたり路上で遊んでいて交通事 故に巻き込まれるなどしたことから禁止令が出て日本では40日ほどで人 気は沈静化してその座をダッコちゃんに取って代わられる。 (第3のヒント):遊具としての使用が主流だが、近年、パフォーマンス やサーカス・競技、ダイエット用品として使用されるようになり、再び 脚光を浴びるようになる。 (第4のヒント):8世紀前半にハワイを訪れた船乗りがフラダンスと類 似点があることに気付き私の名前ができました。 第2問 ジャカジャン (第1のヒント):本来は薬膳料理の一種で、喘息、乾性咳嗽の治療薬で あるアンズ類の種の中の「仁(じん)」(杏仁(きょうにん)を材料とさ れた。 (第2のヒント):日本では完全な嗜好品、デザートとして扱われている ため、実際には杏仁を使っていないものが多く、私の名前で売られてい るものは、ほとんどが杏仁と似た香りを持つアーモンドエッセンスを用 いて作ったものです。 (第3のヒント):私は中国発祥のデザートで、豆腐と言われても豆腐じ ゃ無くて日本にある蜜豆に似ていて、従来フルーツと共にシロップに浮 かべたフルーツポンチかみつまめに近いものが多かったけれど、近年本 格的な中華菓子の普及にともない、柔らかめに作ったプリン状のものも 増えてきたな。 第3問 ジャカジャン (第1のヒント):和名は鬱金香(うこんこう、うっこんこう)とか「ぼ たんゆり」と言われ、イランからパミール高原、カザフスタンのステッ プ地帯が原産で、イラン、アフガニスタン、オランダ、トルコ、ハンガ リーは私を国花にしてくれてますし、日本では富山と新潟が県花にね。 (第2のヒント):開花前に裁縫に用いる針等を用いて私の花の根元部分 を貫通させ傷つけるとエチレンが発生し開花期間を長引かせることがで き、開花後に同様のことを行なうと開花期間が短縮することは私だけよ 知ってた? (第3のヒント):私の仲間はたくさんいるけど有名なのはピンク色のピ ーチブロッサム(ムリロの子供)、黄色のモンテカルロがあるな。珍しい ものには花弁がたくさんあるアイスクリーム等というのもあるよ。生産 地ではオランダが風車と並んで私が非常に有名、日本では富山と新潟が 98%を作ってるよ。それに、私、蝶々や幼稚園の子供さんともとっても 仲良しですよ。 編集後記 今冬に入る前の気象庁による長期予報では暖冬になるとのことでしたが、南岸低気圧とやらが何度も来襲し、北日本を中心に豪雪に見舞われ大きな爪痕を残しましたが、この『白い杖』がお手元に届く頃にはかなり春めいて来てるのではと思います。 さて、今号は少しボリュームが小さくなったようです。前号に掲載した新入会者のインタビューも無かったし、クイズコーナーも趣向を変え、少しスリムにしました。 でも、「あがらの広場」では、新しい方からも投稿頂きました。マンネリにならないようにと思いながらも結局は同じようなものになってしまうのは担当者のセンスの無さでしょう。ご協力頂いた方々並びに最後まで読破して頂いた皆様に改めて紙面をお借りして感謝申し上げて編集後記といたします。 和歌山市視覚障害者福祉協会機関誌「白い杖」(通巻第43号) 発行 平成27年3月 発行者 和歌山市視覚障害者福祉協会 編集責任者 畠中 常男 電話 073-472ー7872 〒640-8314 和歌山市神前285ー16 Eメール hatakenaka@jtw.zaq.ne.jp ホームページ・アドレス http://washikyo.org/ 編集スタッフ 畠中 常男 北口 豊 幸前 勇 坂井 勉 能澤 義和 |