白い杖 第51号


和歌山市視覚障害者福祉協会機関誌「白い杖」第51号





 目次

はじめに 会長 畠中常男  1
和視協この一年 書記 寺本津規子  2
女性部この一年 部長 坂井法子  10
いろいろなお知らせ  10
投稿コーナー  13
アマビエさま  東和分会 寺本津規子  13
わたしの生い立ち  東和分会 郡みず代  14
百均生活  東和分会 ヒカリ  15
不自由さの中で  和歌浦分会 奥野幸子  16
編集後記  19

   発行者 和歌山市視覚障害者福祉協会 令和5年3月発行
   〒640-8314 和歌山市神前285-16  電話073-472-7872
   ホームページ・アドレス http://washikyo.org/



     はじめに

                    会長  畠中 常男

 今年の冬はことのほか寒さが厳しく、本格的な春の到来が待たれます。皆様方には、お元気にてお過ごしでしょうか。
 おかげをもちまして、令和4年度の和視協の活動も、コロナの影響を受けながらではありますが、なんとか終えることができそうです。
 まず、お礼申し上げます。
 さて、私たち和歌山市視覚障害者福祉協会は、明けて令和5年度には、結成70周年を迎えることとなりました。昭和28年に、会員相互の親睦と視覚障害者の社会的地位の向上、自立した社会の一員となることを目的に、和歌山市盲人協会として発足したと聞いております。
 以来、諸先輩方の血のにじむような頑張りと、関係各方面の方々、 また、地域社会のご理解とご支援をいただきながら、その後名称を和歌山市視覚障害者福祉協会と改め、今日の日を迎えることができました。それを受け、来る令和5年10月には、和視協結成70周年記念福祉大会を開催し、ささやかではありますが会の発展にご功績のあった方々に、感謝する催しを持ちたいと考えております。
 私はかねてより、視覚障害は、情報障害であると考えておりまして、少しでも情報の格差を軽減できますよう、多くの皆さんのご協力をいただきつつ改善に努めてまいりました。
 例えば、会のホームページを開設して、和視協の活動を発信したり、電子メールや点字、また、音声CDによる会からの情報の発信など、会員の皆さんとの情報の共有や広報活動に取り組んでおります。
 しかしながら近年の情報機器や福祉機器の発展と、福祉施策の拡充により、改善がなされてきたとは言え、視覚障害者の悩みの本質は結成当時の70年前とあまり変わりはないように思われます。
 ことにこの3年は、コロナの蔓延により外出が制限されたり、身の回りのものに手で触れて確認できない、また、近くによって話し合えないなど、バリアがより厚くなってしまったようにさえ感じられます。
 これらの障壁を取り除き、視覚障害者にとって暮らしやすい環境を作るには、会員の皆さんのお力添えが必要です。
 今後とも和視協へのご理解とご支援、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

      −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



      和視協この一年

                    書記  寺本 津規子

 一年を振り返る時節となりました。令和4年度も新型コロナ感染者数の発表が気になる日々は続き、行事を開催できるのか心配しました。他団体の行事には中止となったものもありましたが、和視協の行事は、おかげさまを持ちまして全て開催することが出来ました。ご参加、ご協力いただきました会員の皆様に心より感謝申し上げます。
 私は、12月の文化研修会で、田頭良和さんのピアノ弾き語りの生のライブを聞いたときには、こころや身体がゆったりとして、リフレッシュした心地よさに、コロナ禍の窮屈な生活に慣れてしまっていたのだなとあらためて感じました。皆様はいかがだったでしょうか?
 さて、来年度は和視協結成70周年です。会員の皆様とともにお祝いしたいと思います。来年度も、どうぞよろしくお願いいたします。
 それではこの1年の報告をいたします。


     1 令和4年度の状況
会員数  89名 (令和5年2月現在)
新入会者 0
亡くなった方 2名


     2 定期総会
日時 令和4年5月1日 日曜日
   午後1時 受付開始  1時30分 開会
会場 和歌山市ふれ愛センター 4階 大会議室
   会員総数91名 出席27名 委任状40名
   有効総数67名 会員の3分の1以上で成立
   議長団 菅野恵子さん 西中利明さん

     議事
   第1号議案 令和3年度事業報告
   第2号議案 令和3年度決算報告及び監査報告
   第3号議案 令和4年度事業計画
   第4号議案 令和4年度予算審議
   以上承認された

   第5号議案 一般提案・その他
   @県視協の負担金について 
   Aタクシー券への氏名記載について 
   B和視協の組織拡大について等

     役員改選
   選挙管理委員  委員長:坂井勉さん
   松下さん 澤田さん 坂井法子さん 寺本さん
 副会長1名の欠員以外は留任とし、推薦によって西中利明さんが、副会長に選ばれた。また、会計に松下淳二さん、書記に寺本津規子さんが会長より指名され、その場で承認された。

   新役員
   会長  畠中 常男さん
   副会長 幸前 勇さん
   副会長 西中 利明さん
   書記  寺本 津規子さん
   会計  松下 淳二さん
   監事  宮本 克二さん
   監事  坂井 勉さん
   女性部長  坂井 法子さん
   文化部長  西中 利明さん
   青年部長  亀山 直美さん


     3 その他の行事
3−1 和視協点字教室
日時  令和4年6月5日 日曜日 午後1時30分〜
場所  和歌山市ふれ愛センター2階視聴覚室
点字教室の参加者は、コロナ禍でもあり、講師を含め会員10名と付き添い3名でした。
内容は、バリアフリー絵本5冊の回覧と、簡単な数独ゲームの体験と言葉パズルをみんなで行いました。
少し点字の書き方の質問があったり、来年度はめ書き競争をして賞品を出してはというお話もありました。


3−2 和視協第1回教養講座
日時  令和4年7月3日 日曜日 午後1時30分〜
場所  和歌山市ふれ愛センター2階視聴覚室
内容  「現在の食をめぐる問題から」 〜食生活と健康について
講師  三國和美先生
参加会員に、テキストを配布しました。
参加者数 20名


3−3 女性部・文化部共催 講演会
日時  令和4年8月28日 日曜日 午後1時30分〜
場所  和歌山市ふれ愛センター2階 会議室(1)
内容  「川柳しませんか 〜 楽しみは頭ひねって五七五 〜」
講師  三宅保州先生
参加者数 20名


3−4 和視協福祉学習会
日時  令和4年9月18日 日曜日 午後1時30分〜
場所  ふれ愛センター3階研修室(1)
内容  「プレクストークの使い方」についてのお話と、和歌山県点字図書館の概要紹介
講師 和歌山県点字図書館 館長:鳴神賢さん 指導員:英賀憲子さん
メーカーのシナノケンシから、プレクストークPTR3を10台お借りして、実機を操作しながらお話を聞きました。
参加者数 11名


3−5 和視協社会見学
日時  令和4年10月9日 日曜日 午前10時出発
    県の福祉バスにて紀伊風土記の丘へ
コロナ禍のため、定員を30名に制限しましたが、自家用車などによる参加者もあり、車中密になる心配は解消されました。
午前は、ガイドボランティアの案内で、小グループに分かれて古墳等の散策の後、昼食
午後は、資料館の「秋期特別展 紀氏、大地を開く」を、解説してもらいながら見学
参加者数 31名


3−6 和視協文化研修会
日時  令和4年12月4日 日曜日 午後1時30分〜
場所  和歌山市ふれ愛センター4階大会議室
文化部が、活動を休止しているため、文芸発表会は開催しませんでした。
コンサートは、「田頭良和ピアノ弾き語りライブ」と題し、紀の川市で生まれ育った、田頭さんの、歌と演奏を楽しみました。
田頭さんは、主に和歌山県内のライブハウスでのコンサートや、その他イベントで活
躍しているミュージシャンで、和歌山放送ラジオへの出演や、CDも5枚出しておられます。
当日は、オリジナル曲や、70年代・80年代の曲を中心に、フォークソングやクリスマスソングなど、ピアノソロも交えて聞かせてもらいました。
ただ残念ながら、今回はコロナ感染防止のため、ピアノ伴奏で歌えるコーナーや、みんなで歌うコーナーについてはできませんでした。
参加者数 30名


3−7 和視協研修会
日時  令和5年1月22日 日曜日 午後1時30分〜
場所  和歌山市ふれ愛センター3階研修室(1)
内容  「災害時及び災害に備えての情報の入手と活用」
講師  和歌山市地域安全課 島田さん 森下さんお話の他、段ボール製の非常用ベッドや、トイレ、非常持ち出し袋などを見せてもらいました。
参加者数 22名


3−8 和視協第2回教養講座
日時  令和5年2月12日 日曜日 午後1時30分〜
場所  和歌山市ふれ愛センター3階研修室(1)
内容  「スマホで生活を豊かに!? Part3」
    スマホを使った便利講座
講師  幸前勇さん
参加者数 10名


     4 理事会と執行部会
理事会と執行部会は、いずれも和歌山市ふれ愛センターにて、以下の日程で行いました。
理事会  4月17日 8月21日 3月12日
執行部会 4月17日 8月21日 2月12日


     5 女性部の行事

1 料理教室1
日時  令和4年6月19日(日) 午前10時から午後2時
場所  和歌山市ふれ愛センター 2階調理室
講師  三國 和美 先生
内容  具沢山の冷やしうどん・抹茶餅・クッキー
参加者 11名

2 講演会(文化部と共催)
日時  令和4年8月28日(日) 午後1時30分から 3時
場所  和歌山市ふれ愛センター 2階会議室(1)
講師  三宅 保州 先生
演題  「川柳しませんか 〜 楽しみは頭ひねって五七五 〜」
参加者 20名

3 手芸教室1
日時  令和4年11月13日(日) 午後1時30分から 3時
場所  和歌山市ふれ愛センター2階研修室2
講師  山崎 由記子 先生
内容  かわいい猫のタオル掛け
参加者 10名

4 料理教室2
日時  令和4年12月18日(日)午前10時から午後2時
場所  和歌山市ふれ愛センター2階調理室
講師  三國 和美 先生
内容  キャンディーサンドイッチ・ スープ・ みかんのレアチー    ズケーキ・ パンの耳のカラメルからめ
参加者 9名

5 手芸教室2
日時  令和5年1月29日(日) 午後1時30分から 3時
場所  和歌山市ふれ愛センター3階研修室2
講師  山崎 由記子 先生
内容  かわいい小物入れ
参加者 9名

6 バルーンアート教室
日時  令和5年2月19日(日) 午後1時30分から 3時
場所  和歌山市ふれ愛センター2階会議室1
講師  松本 真生子 先生 
参加者 8名

7 講演会
日時  令和5年3月5日(日)午後1時から2時 
場所  和歌山市ふれ愛センター2階視聴覚室
内容  朗読を楽しむ
講師  和歌山グループ声
参加者 名
同日  和歌山市視覚障害者福祉協会女性部総会
時間  2時10分から

     7 関連団体の行事
4月10日 県視協 女性部総会 和歌山市
4月17日 市身連 代議員会 ふれ愛センター
4月24日 県視協 第1回部会委員会 和歌山市ふれ愛センター
5月20日 市身連 第1回理事会 ふれ愛センター
5月31日 市身連 結成70周年記念大会 第2回準備委員会
     ふれ愛センター
6月12日 県視協 第49回夢ふれあい俳句大会 和歌山ビッグ愛
8月 2日 市身連 第2回理事会 ふれ愛センター
8月 7日 県視協点字啓発セミナー 和歌山市ふれ愛センター
8月 9日 市身連 結成70周年記念福祉大会 第3回準備委員会
     ふれ愛センター
8月26日 市身連 福祉対策協議会 ふれ愛センター
9月 1日 障害者雇用支援月間 街頭啓発活動 JR和歌山駅前他
9月13日 市身連 結成70周年記念福祉大会 第4回準備委員会
     ふれ愛センター
10月23日 市身連 第70回福祉大会及び令和4年度第1回教育講座
     ふれ愛センター
10月28日 第10回和歌山市障害者差別解消調整委員会
     和歌山市勤労者総合センター
10月30日 県視協 研修会 和歌山市ふれ愛センター
11月20日 中止 令和4年度市連盟社会見学 南紀熊野ジオパーク・     トルコ記念館
12月 5日 障害者週間 街頭キャンペーン
     JR和歌山駅・南海和歌山市駅前
12月11日 市身連 第3回理事会 懇親会は中止 ふれ愛センター
令和 5年 1月 4日 市身連 市長への年始挨拶 市役所
2月 5日〜6日 中止 県身連 幹部研修会 白浜町
2月26日 市身連 第2回教育講座 ふれ愛センター
3月 5日 県視協 第2回部会委員会 和歌山市
3月22日 市身連 第4回理事会 ふれ愛センター

     8 表彰者
   以下、本年度に表彰された方々です。

 令和4年9月4日 第65回和歌山県身体障害者福祉大会
 県身連会長表彰 特別賞 幸前 勇さん
 県身連会長表彰 礎賞 能澤 義和さん

令和4年10月23日 和歌山市身体障害者連盟結成70周年記念福祉大会
連盟会長表彰   宮本 克二さん  幸前 勇さん
         能澤 義和さん
連盟会長感謝状  坂井 勉さん  澤田 留司さん
         寺本 津規子さん

令和 4年11月8日 令和4年度和歌山市社会福祉功労者表彰式
 和歌山城ホール
 和歌山市社会福祉功労者表彰 市長表彰  宮本 克二さん

令和4年11月15日 紀の国チャレンジド賞及び紀の国チャレンジド・サポート感謝状授与式 和歌山県庁
知事感謝状 ファミリーサポート功労者賞  西中 洋子さん

令和4年12月3日 和歌山市障害者福祉賞 和歌山市役所
市長表彰 自立更生者賞  東 克己さん


9 亡くなられた方々
以下、本年度にお亡くなりになった方々です。

令和 4年10月 城東分会の萬田敏彦さん
令和 5年 1月 城東分会の佐野磯雄さん

謹んでお二人のご冥福をお祈り申し上げます。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



      女性部この一年

                    部長 坂井 法子

 会員の皆様には、日頃より女性部の活動に対し、ご理解とご協力を頂き有り難う御座います。
 新型コロナウィルスの感染が始まり3年が過ぎましたが、今だ高止まりが続いています(12月末現在)。はじめの2年間は行事を計画しても開催することが出来ず、大変寂しい想いをしましたが、本年度は人数制限や感染に注意しながら(料理・手芸・バルーンアート)などを開催することが出来ました。
 又初めての試みとして和視協との合同で川柳の三宅保州先生にお越し頂き「川柳講座」を開催することが出来ました。川柳に興味を持って頂けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 令和5年度も、ひとつでも新しいことを取り入れ皆様との楽しい時間が過ごせればと思っています。
 皆様からのご意見やご希望を是非お聞かせください。宜しくお願いします。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



      いろいろなお知らせ

     その1 和視協からのお知らせについて
 現在和視協では、皆さんにお知らせしたい会からの情報を、以下の方法でお送りしています。

   1. メールによる「和視協からのお知らせ」の配信
 インターネット・メール、ケイタイ・メール宛に配信しており、現在約65名の方にお送りしています。 発送経費もかからず、会として最も推奨したい手段で、是非多くの皆さんのメール・アドレスの登録をお願いいたします。
 また、メールはパソコンから送信しますので、ケイタイ・メールをお使いの場合、パソコンからのメールが受信できる設定にしておいて下さい。
 最近、登録されているメールアドレスから変更している方が何人かおられます。
 この場合、こちらからのメールが届かず、和視協からのお知らせが届きません。
 メールで登録しているはずなのに、最近、和視協からのお知らせを見ていないなあと思われる方は、是非アドレスをご確認下さい。

   2. 音声CDによる「声の和視協からのお知らせ」
 和歌山グループ声のご協力をいただき、郵送ケースに入れた音声CDでお届けしています。 声の和視協は返却方式で、次回発行の準備がありますので、お聞きになった後はCDケースを郵送ケースに入れて、速やかにお返しください。
 なお、内容を聞きなおしたいなどの理由で、CDディスクそのものはお手元に残しておいてもらっても結構です。

   3. 点字版「和視協からのお知らせ」
 難聴などにより声の和視協が聞き取りにくい方には、CDと同じ内容のものを、点字印刷してお送りしています。 ただ、発送経費がかさみ、会の財政の負担になりますので、メールやCDが利用可能な方は、できればそちらをご利用下さい。

 以上三つの方法で、和視協からのお知らせをお届けしています。 情報漏れのないように、是非いずれかの方法で、和視協からの情報を受け取って下さい。


     その2 声のニュース和歌山
 タウン誌「ニュース和歌山」の記事を、グループ声さんの朗読で毎週発行しています。 媒体は音楽CDで、普通のCDラジカセや、デイジープレイヤーなどで聞くことができ、聞いた後は、ポストに入れて返す返却方式です。 購読を希望される方は、畠中または和視協執行部までご連絡下さい。


     その3 「市報わかやま」について
 現在「市報わかやま」は、視覚障害者向けに、 @点字 AデイジーCD(音声版) 
B電子メールを利用(メールに記載されたリンクをクリック)の三つの方法で提供されています。 まだ購読していない方や、媒体を変更したい方は、直接和歌山市の広報広聴課へ連絡するか、和視協執行部までお知らせ下さい。
◇和歌山市 広報広聴課 電話:435-1009 ファックス:431-2931
 メールアドレス:koho@city.wakayama.lg.jp


     その4 和歌山市議会だより
 市議会だよりは、@点字 AデイジーCD(音声版)の二つの方法で提供されています
。ご希望の方は、和歌山市 市議会事務局 議事調査課 電話 435-1120までご連絡下さい。


     その5 コラム集
 グループ声の制作による、新聞のコラム記事の朗読CDです。
 形式は音楽CDですので、普通のCDプレイヤーや、CDラジカセなどで聞くことができます。貸し出し方式なので、聞いた後はすぐに返却して下さい。
 購読を希望される方は、グループ声 電話 431-3834へ


     その6 デイジー図書を聞いてみませんか
 デイジーは、視覚障害者のために開発されたデジタル録音図書の規格です。1枚のCDに最長カセットテープ約50巻分の録音が可能で、再生するには,専用の再生機(プレクストーク)または,専用の再生ソフトウェアをインストールしたWindowsパソコンが必要です。
 デイジー図書は、和歌山県点字図書館などからCDの形で貸し出されているほか、インターネットを利用した「サピエ図書館」という、視覚障害者等のための電子図書館にも登録されており、登録図書は、インターネットを介して利用者のパソコンで、直接ダウンロードして利用することもできます。
 ちなみに、デイジー専用プレイヤー「プレクストーク」は、視覚障害者用日常生活用具の支給対象品目(1・2級手帳保持者)となっておりますので、市の障害者支援課(電話 435-1060)に問い合わせてみて下さい。
      −−−−−−−−−−−−−−−−−−−



投稿コーナー

 以下は、会員の方々からご寄稿いただいたものです。


      アマビエさま

                    東和分会 寺本 津規子

 毎年「白い杖」の原稿の募集が始まると、わたしは分会の方々に書いていただけないかとお願いをしていますが、なかなか皆さん難色を示されます。郡さんから行事の参加申し込みのお電話をいただいたときに、「わたし、夏に新型コロナにかかったんよ」とお話を聞いたので、少しその時の様子を伺いました。
 年末に近い頃だったので、その時のこと書いてもらえませんかとお願いをしたところ、快く引き受けてくださいました。他にも会員の中で、新型コロナに感染された方がいらっしゃるようですが、本当に基礎疾患をお持ちの方は、気がかりなことと思います。郡さんは軽症で済んで本当に良かったです。
 わたしの次女の所でも、5歳の孫が新型コロナになりました。パパと9か月の妹も感染しました。わたしたちは、手伝ってやることもできずに、娘は一人で乗り切らなければなりませんでした。
 市役所から送られてきた支援物資はおおよそ次のようなものだったそうです。生活用品の箱には、キッチンペーパー、マスク、強化ポリ袋、ポリエチレン手袋、ペーパータオル、キッチンハイター、アルコール消毒液、ハンドソープ、ティッシュ一箱。
食料品の箱には、チンするご飯10個パック、白粥、卵粥、梅粥、あさげ10食入り、ビーフカレー2食中辛、ビスコ発酵クリームと普通のビスコ各1袋、ミートソース2人前入り4袋、切り干し大根、お茶づけ海苔、パイナップル缶2缶、中華スープ、卵スープ、各5袋入り。スパゲティ乾麺1袋。イワシ缶2缶サバのみそ煮カン2缶 野菜ジュース3本、カップ麺の天ぷらうどん3つ 500ミリの水3本 ゼリー飲料5個入っていたそうです。それが一人分で、3人分送られてきたそうです。早く新型コロナを収束させてくださいねアマビエさま。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



      わたしの生い立ち

                    東和分会  郡 みず代

 わたしは、和歌山県の竜神村という所に生まれました。子供のころ、目が見えていたころは、木登りなどして遊んだものでした。目が見えなくなって、盲学校に入ったのは小学3年生でした。何とか言いながらも点字を習う様になりました。覚えるのは大変でしたが、先生に叱られながらも覚えることができ、勉強に励むことが出来ました。 そうこうしているうちに、中学部に、そしてあんまの試験を受け学校を卒業してからは、大阪で働くことになりました…。
 何年かしてから和歌山に帰り、職人として働いているうちに32歳もはなれた主人と知り合い、結婚して開業していました。アパート住まいでしたがその住まいも出なくてはならなかったので、次のアパートに引越し。そうこうしているうちに主人が老人性の認知症になりました。1年余り面倒を見ていましたが、目の見えない私では面倒が見きれなくなり、老人ホームに入ってもらうことになりました。
 何年かするうちに主人が亡くなり、今度は自分が病気になり、透析を受ける羽目になりました。お医者さんに今透析を受けないと死に至りますよと言われたときはショックでしたが、透析を受けるようになってからは、ずいぶん元気です。この頃ではヘルパーさんと小さな山に歩きに行ったりして、元気をもらい生きていて良かったと思います。最近では伊太祁曽神社の横にあるウォーキングコースを歩きに行ったりして本当に私自身生きていて良かったと思っています。
 わたしは7月の9日に新型コロナになりました。最初自分では熱が出ていたことに気づかずにいて、のどが痛かったのでいつもと同じ風邪ひきだと思って、塩水でせっせとうがいをしていました。そこで収まったのですが、次に鼻水と咳がすごくひどくなってきました。
 それで、いつも透析をしてもらっている病院で、風邪薬を出してほしいとお願いをしたところ、検査を受けて、新型コロナの陽性であることがわかりました
 それから五日間は個室の透析室で透析を受けました。いつもは病院の車で送り迎えをしてもらうのですが、保健所の車での送迎となり、家での待機は1週間でした。
 その後は症状も軽かったので、1週間の待機生活は、不安も感じることなく、割と楽に過ごすことができました。
 すごく困ったということはなかったのですが、市役所から救援物資が送られてきましたが、透析を受けているわたしが食べられるものが少なかったので、症状も軽かったこともあり、自分で作って食べることができて本当に良かったと思います。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



      百均生活

                    東和分会  ヒカリ

 日常の生活で百均のお世話になっているものがみなさんもたくさんあるのではないでしょうか。キッチン周りを見ても、わたしは食器洗いのスポンジは洗剤をきれいに落とすのに時間がかかるので、2枚組の「すみまで洗えるキッチンあみたわし」一枚は洗剤用に、もう一枚は食器の水洗いの時に洗剤を落とすときに使っています。
 本来はコップなどのすみずみをきれいに洗えると言うのがおすすめのようです。キッチンペーパーホルダー、マグカップ、水切りネットストッキングタイプなどなど、数えきれないほどお世話になっています。
 さて、今年買ってお気に入りなものの一つがセリアで購入した、歯間ブラシ立て吸盤で洗面所の壁につけるタイプです。これは娘に教えてもらったものです。歯間ブラシは小さくて落とすとなかなか見つけられません。小さな容器に入れて使っていましたが、水気をとってからなおしておいてもなんだか清潔感が保てるのか、気にかかっていましたが4本たてられるので、細いものとやや太いブラシを夫と2本ずつ立てて使っています。
 二つ目は。ダイソーの『シリコーン簡単おにぎりパック』半透明で、やわらかいシリコン素材、フタが大きく開くのでごはんが詰めやすく、しっかりとした厚みのおかげで、熱々のごはんも握ることができて便利です。パックのまま冷凍保存したり、電子レンジで温めることもできます。おにぎりに直接触れないので衛生的で、パックは洗って、くり返し使えるので、ラップいらずです。鮭やふりかけなど、色々な具材でおにぎりを簡単に作って、そのまま持ち運ぶことができ、フタには折り目が入っているので、手前に折り曲げれば、パックに入ったまま、手を汚さずにおにぎりを食べることができるのがお気に入りです。わたしが購入したのは、120gの大きめサイズのおにぎりが作れるタイプですが、90gのサイズのタイプもあるようです。
 三つめは「鮮度保持キッチンパック」です。使い始めたきっかけは、夫の姉から生協で買ったからと、少し分けてあげるといって持ってきてくれた袋に夏場だったので、バナナを入れて、冷蔵庫に入れたところ、2・3日してもバナナの皮の色があまり変わらなかったのにびっくりしました。百均にもあると聞いて、早速買いました。ポリエチレン製で、緑色です。大・中・小とジッパーの付いたものもありました。袋内部の空気をなるべく抜いて密閉すると、腐敗原因のエチレンガスを吸収し、湿度を適度に保ち、腐敗を遅らせることができるそうです。夏場に夫が畑で収穫して食べきれない、なすやきゅうり、オクラ、ピーマン等に大活躍でした。来年は会員のみなさまから耳寄り情報を教えていただけたらうれしいです。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



      不自由さの中で

                    和歌浦分会  奥野 幸子

 コロナウイルスもまだまだすっきりと片づかず足掛け三年。
 こんなに長く出口のないトンネルにいるのです。
 第八波になると人数も増えてなくなる人も多くなっているのに一人ひとりの感心、政策も弱くなってきている。
 個人でできること命を守ることは、ワクチン接種をすることの予防か五回目を受ける、そして マスク、うがい、手洗い、歯みがきをすることくらいです。
 今一番願っていることは、コロナ禍の落ち着きそれと「ウクライナ」に平和が戻ることです。
 侵略したロシアは許せない。もっと早く集結して仲よくできないものなのでしょうか。
 「何不足 人ははだかでうまれたに」と思えば、相手のことを大切にできる。
 私も8年前に目の手術の失敗で失明寸前となりました。
 八ヶ月後に再手術を受けて少し光りをもらいました。
 この手術が入れかわっていたら今でも車の運転ができているだろう、悔しい悲しい気もちを前向きにと思い自分を励ましてきた。
 「失ったものを拾いに行く」よりも、今あるもの残っているものを最大限に工夫、試行しながら時間がある分ゆっくり歩んできた。
 周りの数えきれないほどの方々に支え助けて頂き、言葉では言い尽くせないお世話になりました。ありがとうございます。
 また、自然とのつながり、花のにおい、葉の手ざわり、虫の声、鳥の声。庭にやってくるスズメのついばむ声、耳からでも昔に見た記憶がよみがえる。
 四季折々に吹く風の音や匂いにすずしさ、やさしさ思いやりをもらいます。ラジオ深夜便を聞いていると天体の話をよくしてくれます。 十五夜の(満月)のことをきくと見えないと思っていても外に出たくなります。
 星座は興味を持って見ていたのできいていてとてもワクワクします。
 人間もこれからは自然や宇宙と共有して生きていくべきです。
 かけがえのない地球を滅ぼさないためにも、孫たちのためです。
 8年間つらいことも一杯ありましたが嬉しいこともありました。
 それは、長男に一人、長女に二人の孫がいてくれます。「ばあちゃん」と呼ばれて幸せです。
 神様に生かされている命を大切にしたいです。

 私の好きな「坂村真民」の詩を引用します。

  二度とない人生だから

二度とない人生だから
一輪の花にも無限の愛をそそいでゆこう
一羽の鳥の声にも無心の耳を傾けてゆこう
二度とない人生だから
一ぴきのコオロギでもふみ殺さないように心してゆこう
どんなにか喜ぶことだろう
二度とない人生だから
一ぺんでも多く便りをしよう
返事は必ず書くことにしよう
二度とない人生だから
まず一番身近な者たちにできるだけのことをしよう
貧しいけれど心ゆたかに接してゆこう
二度とない人生だから
つゆ草のつゆにもめぐり合いのふしぎを思い
足をとどめて見つめてゆこう
二度とない人生だから
のぼる日しずむ日丸い月欠けてゆく月
四季それぞれの星々の光にふれて我が心を洗い清めてゆこう
二度とない人生だから
戦争のない世の実現に努力し
そういう詩を一ぺんでも多く作ってゆこう
二度とない人生だから
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

      編集後記

 今号も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
コロナ感染症も、第8波のピークも過ぎ、ひと時に比べますとずいぶん発生件数もへってはきました。
しかしながら、和歌山県内だけでも感染者が約23万名と、県民の約4分の1の人が感染したとの計算になります。
和視協の会員にも何名かの方がおられ、今回いただいた原稿の執筆者からも、貴重な体験をお聞かせいただきました。
 今号は、かなり投稿原稿が少なく、また、文芸コーナーやクイズなどもなく、いささかさみしい内容とはなりましたが、まずは完成!、発行できて胸をなでおろしております。
 どうぞ次号発行の折には、是非多くの方々からの原稿をお待ちいたします。
時節柄、どうぞご自愛ください。



  和歌山市視覚障害者福祉協会機関誌「白い杖」第51号
 令和5年3月吉日発行
 発行者 和歌山市視覚障害者福祉協会
 編集責任者 畠中 常男

 編集スタッフ  幸前 勇   西中 利明
         寺本 津規子 松下 淳二
         畠中 常男
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



白い杖INDEXへ トップページへ