視覚障害Q&A・和歌山弁バージョン



 ここでは和歌山弁のQ太郎さんとA作さんとの会話形式で和視協や視覚障害者についてを知っていただければと思います。




1. 和視協入会のお誘い
2. 視覚障害者の情報入手は…
3. 視覚障害とは…?
4. 視覚障害者との接し方は…
5. まとめ



1. 和視協入会のお誘い

   みんなつれもていかんかあ〜!
オーイ、ミンナア!和視協へハイランカア〜!!


 Q太郎: 和視協っていったいなによう、それ?
 A作: 和歌山市に住んでて視覚の身障手帳持ってる人なら誰でも入れる福祉団体なんよ。


 Q太郎: 福祉団体ってどんなことすんの?
 A作: そんなに難しいことはなくてね、我々に関する要望や意見を行政にお願いに言ったりということなんかもたまにあるけど、年に数回の行事があってね、福祉学習会では、これまでにもたとえばね、役所の関係者を招いて福祉に関する話を聞いたり、福祉機器の販売している業者を招いて我々が使いやすい日常生活用具などの展示販売をしたり、和歌山バスの担当社員を招いてバスカードの使い方を教えてもらったりなんかもしたことあるよ。
また、秋には、社会見学ということで、みんなでハイキングを兼ねたような小旅行もあってね、過去にはハーベストの丘とか、青洲の里とか、温山荘とか、かつらぎ町のリンゴ園でのリンゴ狩りなどへ行ったこともあるし、また、年末には文化研修ということで、カラオケやクイズ・ゲームなどを楽しむアルコール抜きの忘年会のようなこともしてね、会員相互の親睦を深める行事なんかもたくさんあるよ。


 Q太郎: そんな行事があるんなら、会費なんかもけっこう高いんちゃうん?
 A作: 会費はね、基本的には年間3,000円だけなんだけど、便宜上和歌山市を河西・紀伊・城東とかといったように9つの地区に分けていてね、それぞれを分会としてその長が和視協の理事も兼ねてんのよね。
だから、分会独自でする行事もあったりして、それぞれの分会によって少しずつ会費には違いがあるんよ。


 Q太郎: ほんでそんな会に入ったらなんかメリッとあるん?
 A作: メリットってかあ、そうやなあ、強いて上げれば、我々関係の情報が比較的早く手に入ること。同じ仲間としての連帯感を強められること。
それに何といっても一人で家に閉じこもっていれば味わうことのできない小旅行などでの他人とのすばらしい交わりの時を持てるといったことなどかなあ。


 Q太郎: それで和視協とかいう会に入ろうと思ったらどうしたらええのん?
 A作: それは簡単よ。
まず会長にその意志を申し出れば入会の手続きは取ってくれるから、それから、原則として入会希望者の住んでる地区に近い分会を選んで籍を置くことになるんよね。
だから、会長の連絡先を教えておくよ。
 それからね、目が見えにくくなってこんなことに不自由してるとか、障害者手帳を持ってるとどんな優遇措置があるのかとか、こんなことで困っているのだけどといったときに、相談に乗ってくれる和歌山市身体障害者相談員(すべて視覚障害者)という人たちがいてね、どんなことでも気軽に相談してくれたらいいよ。
その人達の連絡先も一緒に教えとかよ。

会長  畠中 常男   和歌山市神前
472-7872
副会長(文化部長) 北口 豊   和歌山市内原
445-6851
副会長  幸前 勇   和歌山市加太
459-2862
書記  坂井 勉   和歌山市西庄
452-9818
会計(新光分会長) 能澤 義和   和歌山市善明寺
454-0278
葵分会長  唐門 一馬   和歌山市直川
461-4385
河西分会長  宮地 良和   和歌山市上町
432-1083
河北分会長  山崎 昇平   和歌山市栄谷
  455-3551
紀伊分会長  市川 和郎   和歌山市弘西
461-6496
弘親分会長  沢田 留司   和歌山市中之島
432-7283
城東分会長  佐野 磯雄   和歌山市南細工町
423-5722
東和分会長  郡 みず代   和歌山市太田
472-9137
和歌浦分会長  西中 利明   和歌山市太田
474-5708
女性部長  坂井 法子   和歌山市西庄
452-9818


和歌山市身体障害者相談員(平成25年4月現在)
北口 豊    445-6851  和歌山市内原
幸前 勇    459-2862  和歌山市加太
坂井 勉    452-9818  和歌山市西庄
坂井 法子   452-9818  和歌山市西庄
沢田 留司   432-7283  和歌山市中之島
西中 利明   474-5708  和歌山市太田
能澤 義和   454-0278  和歌山市善明寺
畠中 常男   472-7872  和歌山市神前
松下 淳二   462-3064  和歌山市府中
宮本 克二   462-0614  和歌山市園部
山崎 昇平   455-3551  和歌山市栄谷


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2. 視覚障害者の情報入手は…。

 Q太郎: ところで、僕もたまに疲れたときに鍼やマッサージの治療に行くけど、そこの先生なんかは誰もしらんようなニュースでも、よう知っちゃあるでなあ。テレビは見えんのにそんな情報はどうして手に入れるん?
 A作: そうねえ、患者さんを相手にするような仕事している人は、専門的なことは言うまでもないけど、社会の動きや新鮮なニュースは広く浅く知っておく必要があるからねえ。
健常者は入手する情報の80%は目から得て、残る20%は他の5感からといわれてるよね。
なのに目の見えない人にはしょうもないことでもよく知ってる人いてるよね。(笑い)


 Q太郎: 80%が目からということは、新聞やテレビ・雑誌などから得る情報は普通は目からになるよねえ。ということはラジオから聴いて得る情報が多いのかな?
 A作: いやあ、目が見えなくてもテレビのニュース番組をよく見ているというか聴いている人も多いよ。
ニュース番組でもラジオならただ原稿を読むだけやけど、テレビならニュースソースや番組構成が現場からの中継があったり、インタビューで生の声を聞けたりということで、興味深かったりわかりやすかったりするからね。
ただ、外国人のインタビューなどで日本語訳が字幕で出たり、ニュース速報がテロップで出たりするのはちょっと辛いけどね。
でも将来は放送のデジタル科で徐々にその辺も改善されて行くんじゃないかな。
 また、この他に朗読ボランティアが録音してくれた音訳図書や点訳ボランティアが普通字で出版された書物を点字に直してくれたものも専門書から娯楽小説の類までたくさん出回っているから、みんなそんなのを利用しているよ。


 Q太郎: へえ、そういうことなんや。でも、普通の本を朗読するんならけっこう早いけど、点字に直すとなればかなり時間がかかるんちゃうのん?
 A作: たしかに点訳作業というのは、昔は手でこつこつと1字ずつ書いたんだけど、最近はパソコンの普及で点訳ソフトがいろいろ開発され、分かち書きなどという点字独特のやっかいなルールもあまり気にせずに点訳できるようになり、そのスピードたるや篭と飛行機ぐらいの差になったんじゃないかな。
だからベストセラーや人気小説でもそれほど待たずに手にはいるようになったよ。
それに録音図書もね、かつてはカセットテープに録音していたんやけど、長編小説になるとけっこうな量になったんだけど、最近は、技術革新で、1枚のCDに数十時間という大量のデータを記録できるようになり、その上頭出しやページめくり、しおり機能なども付加され、その利用も非情に簡単で使いやすいようになったんよ。
またパソコンも音声科ソフトの普及で自由に健常者とメール交感したり、知りたい情報をインターネットを使ってどんどん取り入れている人も多くなってきたよ。
だから、マスコミ以外からでも自分で好きなときに好きな情報を入手できるようになってきたんよね。
そういう意味からでも、目が見えなくても昔に比べるとずいぶんと進歩したよね。
どう、あんたの周りや知り合いに最近目が見えなくなったとかいう人いないかな?そんな人がいたら、教えてあげて欲しいな。


 Q太郎: そうなんや、すごいなあ!そういえば僕の職場の同僚の奥さんの兄さんとかいう人が、最近糖尿病が悪化して、ほとんど目が見えなくなって落ち込んでるっていうような話をしてたなあ。けっこうそんな人も多いんかなあ?
 A作: そうそう、昔はね医療技術や予防体制が貧弱でおそまつだったために子供の頃から目に障害のある人が多かったけどね、医療体制も確立され、未熟児網膜症などで失明するようなことも皆無に近くなった反面ね、最近はいわゆる生活習慣病の横綱格の糖尿病やちょっと前に映画化されてけっこうみんなに知られるようになった難病のベーチェット病などによって立派な大人になってから失明するような人が急増しているんよね。
平成13年の厚生省の調査では、全国には視覚障害で身障手帳を公布されている人は約35万人いてね、その中で点字を使っている人はその内の約1割なんだよね。
ちなみに我が和歌山県下では約5千人、和歌山市ではその手帳保持者は約2,200人いるんだって。
その内のたった100人ほどしかこの和視協に入会してないんだよ。


 Q太郎: へー!目の見えない人はみんな点字知ってるんだと思ってたあ!それに何でそんなに入会者が少ないのかな?
 A作: 一般的な風潮と一言でかたづけられると辛いんだけど、今はどんな会や組織でも、若い世代の組織離れに悩まされているのよね。
だから、若い人が一人でも多く入会してくれればと思い、こうしてホームページという現代の伝家の宝刀を抜いたという訳なんよ。


 Q太郎: 組織離れはわかるけど、会そのものにも魅力があんまりないんじゃないの?
 A作: ううんちょっと痛いところを突かれたけど、だから少しでも魅力のあるような会にしようと興味の沸きそうな行事を考えたり、IT時代に乗り遅れないように定期的にパソコン教室を開催したりして、全国で約2千人いると言われる視覚障害者のパソコン利用者の中でも、数10名の利用者のいる和歌山市の普及率は人口比からするとダントツじゃないかな。
 ちょっと話題が反れるけど、点字利用者が少ないというのは、中都失明者の急増で、苦労してそれを収得するより、テープレコーダーの類を活用する方が手っ取り早かったり、健常者と対等にコミュニケーションの計れるパソコン利用者の増加などもその理由の一つだと思うけどね。


 Q太郎: パソコンって目が見えなくてもできるん?
 A作: さっきもちょっと触れたけど、画面に出てくる文字を読み上げてくれる音声科ソフトというのが開発されててね、それを頼りにみんなインターネットで検索したりメール交感したりしてけっこう活用してるよ。
そうそう、電化製品やエレベーターなんかで音声案内があるのを知ってるやろ。あれのもっと賢いものと思ってくれたらいいかな。


 Q太郎: さっき点字の普及率が低いって言ってたけど、僕の姪っ子が、夏休みの自由課題だとかで、点字で日記を書くんやとか言うので、おまえ点字なんか知ってんのって訊いたら、授業で習ったもんて言ってたけど、健常の子でも点字習うのん?
 A作: そうなんよね。10年ほど前から小学校4年生の国語の教科書にちゃんと載ってるんよね。
点字の成り立ちというのは、簡単で、子供にでも理解できる程度のもんなんよね。
縦に3個の点が2列に並ぶ6個の点の組み合わせからできててね、憶えるのに便宜上右の上から下へ1から3、左の上から4から6までの番号が付けられていて、1が「あ」とか、1/4/6が「く」などということになってんのよね。
携帯電話のメールの文字入力の時には、「あ」なら1のキーを1回、「め」なら7のキーを4回押すけど、あれも点字方式の入力にすれば、みんなに点字を憶えてもらえるようになるのになあと思うのは私だけやろか。
この話わかる(わらい)?


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3. 視覚障害とは…?

 Q太郎: その携帯電話の文字入力を点字方式にするというのはおもしろいやろけど、ちょっとややこしいから、普及はしないなたぶん。
話は変わるけど、ここまで聞いたんやから、ついでにこんなことも教えてよ。
僕なんかたまに街で白い杖を持った人を見かけることがあって、ちょっと困ってるような時に声をかけようかと思うんやけど、そのとっかかりがわからんのよね。
目の見えない人と接するときのポイントみたいなのがあれば教えて欲しいな。
 A作: そりゃあ良いけど、ちょっと長くなるよ。それにけっこう間口の広い話になるので、ポイントだけにするよ。
もっと詳しく知りたけりゃそれ用の文献なども出版されてるからそれを読んでよね。


 Q太郎: えっと、何から訊こうかなあ。ちょっと抽象的だけど、「目の見えないっ」ていうことはどんなことなんかなあ?
 A作: その話をする前に、「視覚」と「視力」の違いについてちょっと触れとくけどね。
「視力」というのは、いわゆる0.05とか1.2とかという数字で表されるものなんだけど、「視覚」というのは、視野や色覚の他に、ドーナツ状にしか見えないとか、まぶしいところでは見にくいとか、一人歩きには不自由はないけど文字の読み書きに苦労するなどといった多方面の目が関わる機能をいうのよね。
だから、「視覚障害」は弱視者に関することと、光しか見えないとか全く光も感じないといういわゆる全盲者という大きく二つに分けて説明する方がわかりやすいかな。
弱視者についてはちょっと複雑なことも多いので、別の機会に取り上げるとして、ここでは、とりあえず全盲者について話すことにするよ。


 Q太郎: でも全盲者といってもいろんな人がいて、自ずと個人差があるんやろね?
 A作: これはね、子供の頃に見えなくなった人と、大人になってから失明した人とではかなり「見えない」ということについての考え方はもちろん、行動能力やすべての物事に対する認識度などに違いが微妙にあるんよね。


 Q太郎: そうなんや。で、その違いというのは具体的に上げてもらうとどういうことかな?
 A作: 先天的な原因や幼児期に何らかの原因で失明した人と、大人になって病気や事故で失明した人とでは、当然見えていた期間が違うんやから、失明するまでに目から得た知識の量がまず違うんよね。


 Q太郎: そりゃそうね。ということは?もっと具体的に話してよ。
 A作: じゃあ、だんだん「目の見えない」っていうことに触れていくけど、たとえばね、一つは、手で触れられない物に対しての認識が乏しいということかな。
そうだなあ、虹とか水平線に沈む夕日とか、燃え盛る炎とか遊園地の大観覧車みたいにね。


 Q太郎: なるほどね、健常者なら百聞は一見だけどね。でもその両者に違いがあるというんは?
 A作: 幼児期に失明した人は自分の目で直接見てなくて、先生や家族や周りの人たちから得た知識でしかないんよ。
それに対し、大人になってから見えなくなった人は、視力のあるときに自分で見てるからね。
二つ目は、色や漢字に対する認識が乏しいということかな?


 q: ええ!?それはどういうこと?
 A作: 色については、先の話と同じよ。
幼児期に失明した人は、赤といえば郵便ポストとか、リンゴとか、ピーマンは緑だとか、何かにたとえられて観念的に理解しているだけであって、群青色とかサーモンピンクとかモスグリーンなどと別の表現をされるとお手上げの場合があるんよね。
だから、洋服の着こなしや化粧でも健常者が見て、折りとして奇異に見える人がいるんよね。それは色に関して無頓着だからよ。
それに対し、過去に見えてた人は、見えなくなっても説明してもらえばおおよそ理解できるのよ。
 それから、漢字についてはね、最近ではパソコンも普及してきたから、徐々に改善はされてきているようだけど、かつての盲学校教育というのは、普通文字の読み書きできない程度の視力のものは、みんな点字で勉強したのよ。
点字というのは基本的にはひらがなとかカタカナと同じで、漢字がないのよ。だから、点字で育った人は漢字に対しては小学1年生にも劣る人が普通だよ。
でも、普通字で育った人はそれなりの漢字に対する知識はあると思うよ。
余談になるけど、またパソコンのことになるけどね、その普及で点字しか知らなかった人にも漢字仮名混じり文が自由に書けるようになったんよね。
それで、漢字に変換するときはね、たとえば和歌山市なら「なごやかのわ」、「うたのか」、「さんみゃくのさんやま」というように熟語で説明してくれるんよ。
だから、健常者から文字を教えてもらうとき、木偏に目書いて下に心とか、三水片に青とか、糸偏に己などという説明をされても、さっぱりわからんのよね(大笑い)。


 Q太郎: ふうん、たしかにねえ。そうなんや、他にもあるかなそのちがいってやつ?
 A作: 三つ目はね、「目は口ほどにものを言わない」ってことかな。


 Q太郎: それって?ちょっとわかりにくいなあ。
 A作: つまりね、健常者の中に混じって会話するようなとき、健常者にはゼスチュアーや身振り手振りを入れて話したり、目と目で合図したり、目配せしながら意志を確認しあったりというようなことをする人がいるでしょう。
そりゃあその場にいれば話の内容や流れからおおよそ推測はできるけど、視障者にすればどう頑張ってもあくまでもそれは想像や推測にすぎないのよ。
それで、誤解して、思わぬ溝を作ってしまうようなこともよくあるんよ。
それからね、目の見えないものから話しかけたときにね、頷くだけで返事をする人がいるけど、あれもこまるんよね。
たとえばタクシーの運転手さんなんかに目的地を伝えても、返事もなしにスウッと走り出されるとすごく不安になるんよね。
私なども以前、自宅の内原までといったのに、打田町の方へ走りかけていたようなことがありましたよ。
それからは、大きな声ではっきりと行き先を告げるように心がけてはいますがね(笑い)この件については、両者には大差ないと思うけど…。


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4. 視覚障害者との接し方は…。

 Q太郎: ふうん。それにはちょっと気がつかなかったなあ。それで話は戻るけど、そろそろ実際に白い杖を持った人と接する話に入ってよ。
 A作: そうね。じゃあまず最初に話しかける時から思いつくまま上げてみるね。
@そっと視障者の肩をたたくなどをして、自分の名前とか身分をを名乗り、何かお手伝いしましょうか?と声をかけて欲しいな。
また、別れるときも「さようなら」とか、「ではまた」などの声かけがある方が嬉しいな。
A視障者のいる部屋への出入りには、その旨を告げてね。
また、出入り口のドアは半開きにされると顔や頭をぶつけることがよくあるからきちんと開くか閉めるようにしてほしいんよね。
B視障者を部屋(もちろんその人が初めて入るような場所です)に案内したときは、部屋の様子などをざっと教えて欲しいな。
また、トイレなどへの誘導の時にも便器の向き(男子の小の場合はきれいな上部に触らせてね)や、ペーパーの位置、ドアの鍵や推薦レバーの位置を確認させてくれると嬉しいよ。
C会議などでは、最初に可能なかぎり出席者の自己紹介の時間が欲しいな。
Dバス停などでは到着バスの行き先や時刻表を教えてくれたら嬉しいな。
E横断歩道では、信号の変わったことを教えてくれると助かるよ。
ちなみに「カッコー」とか「ピヨピヨ」というあの音響式信号なんやけど、全国的に南北方向には「カッコー」、東西には「ピヨピヨ」と鳴るとか統一されていないから他の地域に行った時は困るんよね。
もっとも最近都会ではスクランブル交差点や歩車分離式横断歩道なるものもできてきて、ややこしくはなってきているんやけどね…。
また、異種鳴き交わし式音響信号といって、横断歩道の手前と向こう側で、交互に音に時間差を付け、真っ直ぐに横断するときの方向がよりわかりやすいように工夫された信号機も徐々に増えてきているよ。
また、自分の持ち物に貼り付けた反れようのシールに反応して信号の色の状態やその交差点名を音声案内してくれる信号機も増えつつあるね。
それから、手前味噌やけど、和歌山県は全国で音響信号機の設置率は第1位なんだよ。
F食事を一緒にするときは、食器の配置や中身について、また、飲食店などではメニューの紹介もお願いできたら嬉しいな。
配置の教え方は、視障者の手でそれぞれの食器に触れさせてくれる方法と、配置全体を時計の文字盤にたとえて6時の位置にお箸、9時はご飯、12時にみそ汁、3時におさしみ、1時にお茶、4時に煮物などという方法が簡単でわかりやすいよ。
G物品や金銭の授受については、軽く視障者の手に触れさせて欲しいな。
また、金銭の受け渡しなどでは、その種別を声に出しながら渡してくれると誤解が少ないよ。
店先などでの商品の説明でも、手で触らせてくれると親切だな。何と言っても手が目の代わりをするんだもんね。
H手引きをしてくれるときは、あなたの肩か肘付近を視障者に持たせてくれるのが最良。
けっしてあなたが視障者の肩や背中を後ろから押したり、白い杖や手を引っ張るのは止めてね。
これは、不安で、どうしても自然に防御意識が働くから足がスムーズに出ないんよね。
階段の手前では、登りか下りかを教えて欲しいし、それから、一緒に歩いているときは、普通の会話の中に周囲の状況なども教えてくれれば、楽しく歩けるよね。
I視障者が道などで迷っていて、方向を教えて上げるときには、「あっち」とか、「あそこの」とか、「向日の角の赤い屋根の」など、目で見てわかるような指示の仕方では、理解しにくいので、両手を時計の針に見立てて、視障者の手を持って方向を教えてくれると嬉しいし、また、10メートルほど前進して、その角を右折して、数歩歩くとその玄関の入り口の階段に突き当たりますなどと、具体的に教えてくれると助かるな。
Jバスや電車はもちろん、コンサート会場や喫茶店などの座席に案内するときは、視障者の手で座席の背もたれや肘掛けを触らせてくれるだけで十分。
わざわざ視障者の腰を抱えて丁寧に座らせる必要はないよ。背もたれに触らせてもらうだけで席の向きや形状をほぼ把握できるものなので、自分で着席できる人がほとんどなんよ。
Kタクシーや自分の車に同乗させていただくときは、開いたドアの上端に触らせてくれると、乗り込む際に顔をぶつけたりしないから安心できるんよね。
L歩道の点字ブロック上には、自転車や車、立て看板やものを置かないで欲しいな。
点字ブロックは視障者の歩く際の大事な道標ならぬ「足標」なんですよ。
だからその上に障害物があると、それを回避しなければならず、騒音の激しい場所や傘を刺しているときなどには、回避しようとして方向を失ってしまうことがあるんよね。
また、荷台の高いトラックなどが停車していて、白い杖は荷台の下にはいるから障害物が無いものとそのまま歩いて行くとおもいきり頭をぶつけたりするという危険があるんだな。
その瞬間は何とも言えず痛いし何が起こったかがわからず、状況が理解できた後で、無性に腹の立つことが多いよね。
てんてんのブロックは危険箇所や足印になるもので、線状のものは誘導を表すものなんだよね。
また、駅の改札口や公共の建物の玄関先などで鳴っているチャイムや音声案内は、視障者にとっては音の灯台なんだよ。
M自転車で走行中白い杖を見かけたらベルを鳴らしてね。
車やバイクが近づいてきても、エンジン音で直ぐにわかるけど、停車中の車や雑踏の中での自転車にはどうしても気付くのが遅れるんよね。
N特別な人間として、構えて接するんじゃなく、会話の時でもテレビの話やスポーツ観戦や芸能ネタ、オシャレのことなど、普通に話しかけてくれると良いよ。
でも、視障者を中傷するような言葉を使われると気分を害する人が多いな。
一見してそれとわからないような人もいるので、視障者サイドからは、自分が視障者であることを周りの人たちにわかってもらいやすいように、また、トラブルや事故に遭遇したときにも声を大にして主張できる意味でも、きちんと白い杖を持つ必要性はあるよね。
O室内での椅子やテーブル、ゴミ箱や灰皿などの位置を変えたとき、また、履き物や持ち物の置き場所を変えたときには、一言声をかけてほしいな。
視障者は、すべて自分で頭の中の地図に記憶しているので、それを無断で変えられると混乱するのですよね。

えっと、思いつくままに並べてみたけど、だいたいこれだけを知っておけば、上手に視障者とコミュニケーションが取れると思うけど…。どうかな?


 Q太郎: たくさんあって直ぐに全部は憶えられないけど…。忘れたらどうしたらいいかな?
 A作: 手っ取り早いのは、このホームページを開いてくれたらいいよ。
こんなことというのは、英会話なんかを勉強するのと同じで、家族や身近に視障者がいて、常に接する機会があれば、直ぐにマスターできるんだけどね。


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5. まとめ

 視覚障害者にとって、例えば一人で外出しようということは大変勇気のいることです
。今世紀に入って目覚ましい技術進歩により、目が見えなくてもカナリのことまでは独力でできるようになったとはいえ、健常者の方の目をお借りすることが最もスピーディーで安善かつ確実な手段です。
したがって、皆さんのちょっとした優しい心配りや援助に勝るものはありません。
しかし、我々障害者の側からも、ああして欲しい、こうして欲しいという要求をするだけでなく、自ら進んでバリアを取り除こうとする勇気と意気込み、それを実行に移す決断力が不可欠であるでしょう。
 障害者の誰もが、社会の一員としての自覚を持つことができ、健常者と共に明るくのびのびと生活できること(「ノーマライゼーション」=障害者と健常者が、ともに普通に生きて行こうという考え方)を推進・実現させるために、皆さんのご協力をお願いし、近い将来そんな社会の来ることを切望してまとめとします。


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